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老人ホーム徹底ガイド
老人ホームに入る際、今の住まいは売却したほうが良いのでしょうか。親や祖父母が老人ホームに入居することになったら、家族は家を処分すべきか悩むこともあるでしょう。老人ホームに入る際の持ち家の扱いに関する問題はよく起こります。解決方法としては以下のようなものがあります。
● 老人ホームを終の棲家にするなら売却する、そうしないのなら売らない ● そのあと住む予定がなければ売却する、住む予定があれば売らない ● そのあとに自分以外に住む人がいないなら売却する、住む人がいれば売らない |
この記事では、売却したほうがよい理由と売却する方法を解説した上で、売却しないほうが良いケースも紹介します。
家に対する考え方が今と昔で変わってきました。住宅と土地の価値が変わってきたためです。
不動産は「負動産」や「腐動産」と呼ばれることがあるくらい、所有者の荷物になることがあります。そのため、使う予定がなければ、老人ホームに入居するタイミングで売却したほうが良い可能性があります。
ここでは売ったほうがよい理由について紹介します。
もう住むことがない家を売れば現金を得ることができます。老人ホームに入居するには入居一時金や毎月の料金支払いが必要になります。しかし、家を売却した場合、売却益を入居一時金や毎月の料金支払いに当てることができます。
老後の預貯金はなるべく切り崩したくないはずです。しかし老人ホームに入居して、そこで生活して、さらに介護サービスを受けることになれば、年金や介護保険制度のサポートがあるとはいえ、現金の支出が増えます。家の売却益があればこれらの支出をまかなうことができます。
老人ホームに入る場合、自宅に戻らないと分かってから売却したいと考えている方も多いでしょう。たしかに、自分の家は自分の貴重な財産なので、それを処分するなら納得できる形で行うべきです。しかし税金のことを考えると、住まなくなった家は早く売ったほうが良いといえます。
所得税には「マイホームを売ったときの特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)」というルールがあります。これは支払う税金の額を軽減する措置なのですが、期限をすぎると使えなくなってしまいます。「マイホームを売ったときの特例」に該当すると、家を売って得た譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます。これにより所得税の額が減ります。
しかし「マイホームを売ったときの特例」は、自分が住まなくなってから3年以内にしか使えません。中古住宅は今、どの地域も余り気味なので簡単に売ることはできません。売ろうかどうか迷っていたり、売る準備をしていたりしていると簡単に3年がすぎてしまいます。そうなるとせっかく売ることができても税金が高くなってしまい、手元に残る現金が少なくなってしまうでしょう。
売るかどうか迷っている家が老朽化していたら、早く売ってしまわないと土地の固定資産税が今の6倍になってしまうかもしれません。
住宅用地は軽減制度によって、固定資産税が6分の1になっています。しかし、人が住まず老朽化が激しい倒壊の恐れがある家は「特定空き家」と認定されてしまうことがあります。特定空き家に認定されると固定資産税の軽減制度の対象から外れるので、6分の1の優遇がなくなり、支払う固定資産税の額がこれまでの6倍になってしまいます。
老人ホームに入った親や祖父母が認知症になってしまったら、その持ち家を売却することが難しくなるので注意してください。
家と土地を売却できるのは原則、所有者だけです。例外的に、所有者が委任状を作成すれば、子供たちが売却することができます。しかし認知症が進んでしまうと本人が売却することも、委任状の手続きをすることも困難になり、売れない状態が長期化してしまうかもしれません。
家や土地などの不動産の売却はとても手間がかかります。これから老人ホームに入ろうとしている人や、親や祖父母が老人ホームに入ることになっているご家族は、不動産の売り方を知っておいたほうが良いでしょう。
不動産を売る流れを紹介します。
●ステップ1:不動産を査定してもらう 不動産を売るには、いくらで売るか決めなければなりません。そのため、所有している家と土地がいくらくらいで売れるか、不動産会社に査定してもらう必要があります。 ●ステップ2:売却の依頼先を決める(仲介か買取か決める) 査定額が決まっても、所有者が自力で買主を探すことは事実上不可能です。 そのため大抵は、売主(所有者)は売却を手伝ってくれる不動産会社を探すことになります。 不動産会社は買主を探す仲介もできますし、不動産会社がその不動産を買い取ることもあります。仲介か買取かは、売主と不動産会社が話し合って決めます。 ●ステップ3:売り出し価格や売り方を決める 不動産会社に仲介を依頼する場合、売り出し価格を決めます。査定額をそのまま売り出し価格にすることもできます。 さらに売り方を決める必要があります。売り方は、仲介をする不動産会社に任せることが多いでしょう。 ●ステップ4:条件が合えば買主と売買契約を結ぶ 買いたいという人が現れ、販売価格や引き渡し条件などが合致すれば、売主と買主の間で売買契約を結びます。 不動産の売買契約は複雑なので、このようなときも仲介してくれる不動産会社が頼りになります。 ●ステップ5:買主から代金を受け取って買主に家を引き渡す 売買契約を結んだら、買主は売主に代金を支払って、売主は買主に家と土地を引き渡します。具体的には、代金の入金と登記の変更を行います。 これで家の売却が完了します。 |
不動産を売却する際はこれらの手順を踏む必要があります。手続きが多く複雑なので、不動産売却仲介サービスなどを利用すると良いでしょう。
「今まで住んでいる家をどうしよう」と悩んだら、ロイヤルハウジンググループにご相談ください。
ロイヤルハウジンググループは長年の実績から、売ったほうがよい場合と、売らずにもう少し様子をみたほうがよい場合を見極めることができます。本人やご家族から詳しく話を聞いたうえで、その人に状況に合った最適な対応をアドバイスします。そして「売る」と決めたら最適の価格で売却できるようバックアップしています。
さてここまで、老人ホームに入るタイミングで家を売るメリットを紹介しましたが、状況によっては売らないほうがよいと判断できることもあります。
ここでは、不動産売却のデメリットを詳しく解説します。
不動産を売却する場合は急いだほうが良いですが、まだ誰かが住む可能性がある場合は売らないほうがよいでしょう。例えば、何らかの理由で老人ホームを退去することになったら、家がないと住む場所がなくなってしまいます。また、子や孫がその家に住んでくれる場合も売る必要はありません。
子供が、老人ホームに入居する親の家を売却するとき、説得に苦労することがあります。要介護度によっては、老人ホームに入ったらもう元の家に戻らない場合があります。その場合、子供としては合理的に判断して、家を売るべきだと主張するかもしれませんが、老人ホームに入る本人はかたくなに売却を拒むかもしれません。
家を売るとき、中の家財道具をすべて整理しなければなりません。財産価値があるものは売却し、そうでないものは廃棄します。
家財道具の整理は体力や時間が必要で、それなりにコストもかかります。体力や時間、コストの面も含めて、どのタイミングで家を売却するか検討しておきましょう。家財道具を整理してくれる業者もあるので、そのような業者に頼むのもひとつの方法です。
売却以外にも不動産を利活用したり処分したりする方法があります。
ここでは以下の3つの方法を解説します。
● 賃貸として貸し出す
● 規模宅地等の特例を利用し、相続税を抑える
● リバースモーゲージを利用する
今住んでいる家が人気のエリアにあれば、賃貸物件にすることができます。その場合、老人ホームに入っていても家賃が収入として入ってきます。
ただし、賃貸物件として扱うにはリフォームが必要になるのでそのための資金が必要です。もし賃貸物件にしたものの借り手がみつからなかったら、リフォーム代金は損失になってしまいます。また賃貸に出した家が傷んだら、所有者の負担で修理しなければならない点にも注意しておきましょう。
相続税の制度に「小規模宅地等の特例」という制度があります。この制度の適用を受けると土地の相続税が最大8割軽減されます。
要件としては「被相続人の配偶者が相続する」、「被相続人と同居していた相続人(長男など)が相続する」などがあります。また、親が老人ホームに入居している場合も小規模宅地等の特例を受けられることがあります。以下の老人ホームや施設に入居している場合が対象となります。
● 特別養護老人ホーム ● 有料老人ホーム ● 軽費老人ホーム ● サービス付き高齢者用住宅 ● 介護医療院 ● 介護老人保健施設 ● 認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居 |
リバースモーゲージは、自宅に住みながら自宅を担保に入れてお金を借り、亡くなったあとに自宅が売却されて借りたお金を返済する融資方法です。老後の資金が足りなくなってきたが自宅を手放したくない場合、リバースモーゲージを使えば老後の資金を確保しながら自宅に住み続けることができます。
ただ、本人が亡くなったら家を売却することになるので、子供たちに相続することはできません。また、家に相応の価値がないとリバースモーゲージを設定することができません。
今の住まいを売却するべきかどうかは、これから老人ホームに入ろうとしている人にとって重大な課題となるでしょう。
また、老人ホームの入居者家族も、住んでいた家の処分に困ることがあります。
ロイヤル介護は、老人ホームの入居に関わる相談をワンストップで行っているので、不動産売却の悩みにもアドバイスすることができます。介護の専門家に相談し、老人ホームに入られる方もその家族も納得できる解決策を一緒に探していきましょう。
老人ホーム徹底ガイドメニュー
①入居者の状態を正確に把握する 開閉
②基礎知識を知る 開閉
③選ぶポイントを知る 開閉
①老人ホームを決める開閉
②契約手続きをする開閉
③引っ越しをする開閉
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