今回のテーマは「おひとり様の認知症トラブルと対策」です。

おひとりさまが認知症になった場合起こりうるトラブル

髙橋）単身で住んでいる方、頼れる人がいない方、いわゆるおひとりさまが何も準備をしないまま「認知症」になったらどんなことが起こる可能性がありますか？

村山）実際にあったケースでは、家がゴミだらけになった、振込ができなくなって支払いを滞納してしまった、自転車で遠くまで行き警察に保護された、というようなことがありました。

髙橋）それは大変ですね。

村山）おひとり様が認知症になった場合に、どんなトラブルが起こるか、いくつかあげてみます。

1. 決まった日にゴミ出しができなくなるなど、日常生活が困難になる
2. 介護サービスの契約が困難になり、必要なサービスが受けられなくなる
3. ATMの操作方法がわからなくなったり、通帳をなくしたりして、水道光熱費などの滞納がおこる。また、お金の管理が困難になり、詐欺などに遭う可能性がある。
4. 認知症の症状が進み、ご近所に迷惑となる行為をする可能性がある。
5. 入院の際に保証人や保証金を用意できず、手続きに手間取る可能性がある。
6. 孤独死した場合に、発見が遅れてしまう可能性がある。
7. 葬儀や納骨をしてくれる人がおらず、尊厳のある最期を迎えられない可能性がある。

髙橋）どのケースも何も準備をしていないと、周りの人にも迷惑をかけてしまいそうですね。

村山）そうなんですよね。

トラブル対策3つ(無料編)

村山）そうなりたくない方のために、まずは、お金をかけずにできる方法を３つ紹介します。

①ご近所のかたやマンションの管理人さんと繋がっておく

新聞がたまっていたり、雨戸が閉まったままだったりと、何かしらの異変に気づいてくれるご近所の顔見知りがいると安心です。

②銀行口座の整理、お部屋の整理

使っていない通帳を解約してまとめたり、水道光熱費を口座振替にしたり、銀行にこまめにいかなくてもスムーズに生活が回るようにしておくと安心です。　

③かかりつけ医をつくる

健康診断を決まったところで受けたり、万が一倒れた時にはかかりつけ医と連携してもらえるようにお財布などに診察券や連絡先を入れておく

髙橋）言われてみれば、なるほど！と思うことですが、意外とできてないかもしれませんね。

トラブル対策3つ(有料編)

村山）次に、お金がかかるけどやっておきたい対策を３つ紹介します。

①見守りサービスを利用する

ただし、見守りサービスは異常があった場合に通知を受けてくれる人が必要なケースが多いです。親族で該当する人がいない場合は、「任意後見契約」を検討してください。　　　

②「任意後見契約」と「死後事務委任契約」を結んでおく

「任意後見契約」とは、認知症になったときに、自分の代理人となって契約ごとやお金の管理をする人をあらかじめ決めておく契約です。

「任意後見契約」にプラスして、死亡したあとの部屋の片づけや葬儀、納骨などを頼む「死後事務委任契約」も結んでおくと安心です。

詳しくは、こちらの動画で解説しています。

▸任意後見

「任意後見」をわかりやすく解説

　任意後見だけで大丈夫？

▸死後事務委任契約

　死後事務委任契約の注意点

③遺言書をつくっておく

自分の財産を誰にどうやって残したいかを決めておくものです。

とくに相続人がいない方の場合は、遺言書をつくっておかないと国庫に帰属することになるので、お世話になったところへ寄付したい、など意思を残しておくことが大切になります。

髙橋）このあたりの対策をしておくと安心ですね。

対策をはじめる時期

髙橋）いつぐらいに準備を始めたらいいでしょうか？

村山）元気なうちにしかできないことばかりなので、60歳～70歳ぐらいを目安に準備を始めるといいと思います。

まとめ

村山）認知症になった時に、周りに迷惑をかけたくないと思う方は、心配事を書き出してみて、まずはお金がかからない対策や、できることから始めてみてください。

心配ごとの中で、「納骨をしてくれる人がいない」と思った方は、「任意後見・死後事務委任契約」を扱っている司法書士や行政書士などにご相談ください。

髙橋）まずは、心配ごとを書き出してみるところからですね。

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