今回のテーマは「おひとり様の任意後見」です。

村山）おひとり様の場合、自宅で急に倒れた時や、認知症になった時のことが不安になる、とおっしゃる方が多いです。

そんな方におすすめなのが、「任意後見契約」です。

ただ、おひとり様の場合それだけでは賄いきれない部分があるので、追加しておきたい契約があります。

〔参考〕 ➤ 5分でわかる！任意後見制度

髙橋）私はおひとり様なので、追加しておきたい契約がとても気になります！

村山） 任意後見契約は、判断能力が低下した時に、自分が希望する人や法人に財産管理を頼める契約です。

しかし、おひとり様の場合は、判断能力が低下する前、つまり任意後見契約が発効する前に、体力的な理由などで財産管理をして欲しいと思う方が多く、この希望を叶えるには別の契約を追加しておく必要があります。

髙橋）足が悪くて出かけられないから、銀行でお金をおろしてきて欲しいとかありそうですね！具体的には、どのような契約を追加する必要がありますか？

任意後見に追加しておきたい契約

村山）任意後見契約に追加しておきたいものはこの４つです。

＜おひとり様が任意後見契約をするときにセットにしたい契約＞

1. 　見守り契約
2. 　財産管理等委任契約
3. 　死後事務委任契約
4. 　遺言

髙橋）それぞれの役割を教えてください。

１　見守り契約

村山）まずは、１　見守り契約

１カ月に１回訪問する、電話で話す、メールで連絡を取り合う、など、見守りをする契約です。この契約をしておかないと、いつ任意後見契約を発効させるべきなのかが分からなくなってしまいます。

髙橋）確かに、おひとり様の場合、具合が悪くなったことを誰かに知ってもらう必要がありますね！

２　財産管理等委任契約

村山）次に、２　財産管理等委任契約

例えば、判断能力はあるけれど足が悪くなったという場合に、銀行の手続きを代わりにして欲しいとお願いしても、この契約を結んでおかないと、任意後見を頼まれた人は動くことができません。

髙橋）これは、念のために結んでおきたいですね。

村山）実際に、この契約を結んでおらず、とても苦労したという任意後見人の話を聞いたことがあります。

３　死後事務委任契約

村山） そして、３　死後事務委任契約

亡くなった後、葬儀や納骨のことを頼んでおける契約です。

詳しくはこちらの動画をご覧ください。

〔参考〕 ➤ おひとり様のお墓問題

４　遺言

村山） 最後に、４　遺言

遺言は契約ではないのですが、おひとりさまは絶対に作ってください。残った財産をどうしたいのかを書き残しておかないと、相続手続きが複雑になる為、周りの人に迷惑をかける場合があります。

髙橋）この４つ、全部必要そうですね！

村山）実際におひとりさまで、任意後見契約をされる方は、全部セットにされる方が多いです。ただし、フルセットの場合は、費用もそれなりにかかります。

契約にかかる費用

髙橋）費用はどれぐらいかかるのですか？

村山）費用は、契約書作成にかかる費用と、継続的にかかる費用の２種類があります。

まず、契約書作成にかかる費用は、フルセット20万円～50万円が目安です。

継続的に掛かる費用とは、見守り契約、財産管理等委任契約、任意後見契約の月額料金です。

費用のイメージ（具体例）

具体例をみてみましょう！見守りがスタートすると月額1万円がかかり始めます。

数年後、足が悪くなったので見守り契約から、財産管理等委任契約に切り替え月額2万円に。

また数年が経ち、判断能力が低下した時点で、任意後見契約に切り替わり 月額3万円プラス、任意後見監督人の報酬が月額１万円（裁判所が決定する）の合計4万円になります。月額4万円は、お亡くなりになるまで続きます。

死後事務と遺言は継続的にかかる費用はありません。

この図はあくまでも一例で、任意後見契約を頼む相手によって費用は様々です。

髙橋）状況によってかなり費用がかかる場合もありそうですね。

まとめ

目指せ、ぴんぴんコロリですが、周りの人に迷惑をかけないためにも準備が必要だということがわかりました。

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