今回のテーマは「認知症になっても遺言書って作れる？」です。

遺言書をつくれるケース

髙橋）村山先生、遺言書は認知症になったら、もう作れないのですか？

村山）いいえ、認知症になったら遺言書が作れなくなるというわけではありません。財産の引継ぎについて、意思表示ができれば、遺言書をつくれるケースがあります。

例えば、「孫にあげたい」や「子供を支援する団体に寄付したい」程度の内容が言えれば、具体的にヒアリングしながら遺言書を作成することができます。

髙橋）意思表示ができているかどうかは、どのように判断するのですか？

村山）私の場合は、まずは自分で対話をします。また、医師に診断書を書いてもらったり、動画を撮ったり、第3者に立ち会ってもらったりと、工夫しながら意思表示の確認をしています。公正証書遺言の場合は、公証人と証人２名も一緒に確認することになるので、より確実に作成できます。

髙橋）なるほど。

成年後見制度を利用している場合

髙橋）認知症になると成年後見制度を利用している場合があると思いますが、その場合どうなるのですか？

村山）成年後見人がついていても、作成できるケースがあります。

成年後見人がついている状態で遺言書をつくるための条件は2つあります。

1. 遺言書をつくるときに意思表示をすることができる状態であること
2. お医者さん２名が立会って、遺言書作成時に意思表示ができている状態であることを確認すること　

です。この方法は民法に規定があります。

髙橋）成年後見人がついている状態でも条件を満たせばできるのですね！

村山）はい。成年後見人がついているのに意思表示ができる、というのはかなりのレアケースになりますが、実際に私が成年後見人をやっていた方で、お医者さん２名の立会のもと、公正証書で遺言の作成ができたケースがあります。

髙橋）そんなケースもあるのですね。

村山）個人差がありますが、認知症になったら間に合わない、という訳ではないので、諦めずに専門家を頼ってほしいです。

トラブルにならないために

髙橋）遺言書の内容によってはトラブルになることもありそうですよね。

村山）そのとおりです。遺言書があったことで、本来もらえるものがもらえなくなったり少なくなった人がいたりすると、トラブルになりやすいです。なので、遺言書を作るなら、やはり早いうちに！作ってほしいです。

まとめ

髙橋）遺言書は元気なうちに作ってもらうのがベストですが、認知症になったからといって、諦める必要はないということがわかりました。

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