今回は介護に関する「軽減制度のまとめ」です。

藪内先生にそれぞれの概要をまとめてお話しいただきます。

介護保険サービスの利用料が軽減される制度

藪内）介護保険サービスの利用料が軽減される制度は主に4つあります。

1. 「高額介護サービス費」
2. 「負担限度額認定」
3. 「高額医療・高額介護合算制度」
4. 「社会福祉法人等による利用者負担軽減制度」です。

髙橋）それぞれのポイントを簡単に教えてください。

1.高額介護サービス費

藪内）１つ目の「高額介護サービス費」は、自宅や施設で受けた介護サービスの１ヶ月の自己負担が上限額を超えたとき、超えた分が支給される制度です。
ただし、食費や居住費など介護保険の対象とならない費用は合算できません。

髙橋）「高額介護サービス費」は住民税の課税世帯か非課税世帯で限度額が変わるんですよね。

藪内）はい。
住民票上に1人でも住民税課税者がいる課税世帯であれば、「高額介護サービス費」の自己負担限度額は最低でも44,400円です。非課税世帯だと、自己負担限度額は15,000円または24,600円になります。

髙橋）「高額介護サービス費」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

〔解説動画〕
➤高額介護サービス費とは何か分かりやすく解説！

2.負担限度額認定

藪内）２つ目の「負担限度額認定」は、公的施設と言われている特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養病床、介護医療院での部屋代や食費の負担を軽減できる制度です。ショートステイも対象となります。

髙橋）「負担限度額認定」は非課税世帯が対象でしたよね。

藪内）はい。
対象となる要件は収入と資産の２つがあって、収入要件は、非課税世帯であることで、資産要件は預貯金が単身500万円～650万円、夫婦1,500万円～1,650万円であることです。

髙橋）「負担限度額認定」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

〔解説動画〕
➤介護保険負担限度額認定とは。申請や段階について

3.高額医療・高額介護合算制度

藪内）３つ目の「高額医療・高額介護合算制度」は、介護保険サービスの利用料や医療費が高額になった場合に、年間の利用料や医療費をそれぞれ合算して戻ってくる制度です。

髙橋）「高額療養費」や「高額介護サービス費」を利用しても、自己負担額が発生しますから、さらに還付があるのは嬉しいですよね。

「高額医療・高額介護合算制度」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

〔解説動画〕
➤高額医療・高額介護合算制度を分かりやすく解説

4.社会福祉法人等による利用者負担軽減制度

藪内）４つ目の「社会福祉法人等による利用者負担軽減制度」は、低所得で生活が困難な方や生活保護受給中の方について、社会福祉法人等の協力で利用者負担を軽減する制度です。

髙橋）収入も資産も少なく、頼れる親族もいない方のための軽減制度でしたよね。

藪内）はい。
対象となる方は、社会福祉法人等により提供されるサービスを利用する場合、介護サービス費の自己負担額、食費、居住費が4分の1軽減されます。

生活保護受給者は、特別養護老人ホームの利用における個室の居住費が全額軽減されます。

髙橋）「社会福祉法人等による利用者負担軽減制度」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

〔解説動画〕
➤自己負担額の1/4を負担してくれる「社福軽減」とは？

まとめ

髙橋）ところで、この4つの制度を、一人の方が全部利用することは可能ですか。

藪内）はい！可能です。一部利用できる方もいれば、全部利用できる方もいます。ただし、非課税世帯の方が利用できる軽減制度は多く、負担も少なくすみます。

髙橋）介護保険の利用においては「非課税世帯」になることが負担の軽減につながりますね。 

藪内）そうですね。非課税世帯であれば、軽減制度が利用できるだけでなく、介護保険料も安くなります。
「世帯分離」や、「障害者控除」などのできる手続きを見直すことが大切です。

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