今回は、「施設費用が軽減される負担限度額認定の改正」について分かりやすく藪内先生にお話しいただきます。

藪内）負担限度額認定は介護保険施設でのお部屋代や食費の負担を軽減できる制度です。

公的施設と言われている特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護医療院での入所またはショートステイが対象となります。

髙橋）施設の利用料は、介護保険サービス費よりも、お部屋代や食費の負担のほうが大きいので、それが軽減されるのは助かりますね。

今回の改正では、いつから何が変わったのですか？

藪内）近年の高齢者世帯の水道光熱費などや在宅で生活する方との公平性等を総合的に勘案し、令和6年8月から、居住費の負担額が1日60円引き上がりました。

髙橋）1日60円ということは、月に1,800円くらい負担が増えるということですね。

これは、負担限度額認定を受けている利用者全員対象ですか？

藪内）従来からお部屋代の負担限度額を０円としている利用者負担第１段階の多床室利用者については、負担限度額を据え置き、利用者負担が増えないようになっていますが、それ以外の方は全員対象となります。詳しくはこちらの表をご覧ください。

髙橋）令和の値上げラッシュがこんなところにまでですね…少しでも負担を減らしたいからこそ、この制度が利用できたら助かりますよね。

負担限度額認定の対象となるには、収入要件と資産要件がありますよね？

藪内）はい。収入要件としては、非課税世帯であることです。ただ、夫婦の一方が課税者の場合は、夫婦で世帯分離をしていたとしても対象となりません。

資産要件は、負担限度の段階によって異なりますが、単身500万円～650万円、夫婦1500万円～1650万円となります。

髙橋）現在、非課税世帯でない方も、障害者控除や世帯分離を手続きすることで対象になるかもしれませんよね。

負担限度額認定の対象者の要件などについて、こちらの動画も参考にしてください。

【5分でわかる】介護保険負担限度額認定とは。申請や段階について知っておこう！

藪内）負担限度額認定は、申請した月の1日から適用になりますが、この制度は基本的に遡って適用されませんので、早めに手続きしてください。

髙橋）負担限度額認定の改正点について、よくわかりました。

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