今回のテーマは「第1回 介護の食事作りの負担をどう軽減するか」です。

事例を交えながらお伝えします。

髙橋）食事作りは毎日のことなので、介護をする上で負担の大きいことだと思うのですが、皆さんどうされているのですかね。

佐賀）よくそういう相談を受けることがあります。家族としては美味しいもの、バランスが良いものを食べさせてあげたいと思うけれど、高血圧の親の分だけ塩分を控えた食事を作ったり、しっかり作ってもちゃんと食べてくれなかったり、暑い時期は料理の傷みが心配、親がガスレンジも電子レンジも使えなくなって温かいものを食べさせてあげられない・・・

などなど、悩まれている方が多いです。

髙橋）そうですよね。色々な問題がありますよね。

佐賀）はい。そんな問題や悩みを上手に解決した事例を紹介していきます。

第1回の今回は・・・・

娘さんがフルタイムで働いていて、高齢の両親を介護していた事例です。

娘さん（60歳）　週５日勤務（8時半～16時半）

父（90歳）要介護3

毋（86歳）要介護1

同居　両親共に軽度の認知症。

娘さんの食事作りの悩みは、両親それぞれに違う形態の食事を朝食・昼食の計４食作り置きをしてから出勤しなければならないということと、認知症の両親が食事をちゃんと食べたかどうかが分からないということでした。

髙橋）フルタイムで働いていて、朝2種類と昼2種類の合計4種類の食事作りは過酷ですね！ご両親はデイサービスには通われてなかったのですか？

佐賀）はい。お父様がデイサービスに行きたがらず、日中はお母様と二人で過ごされていました。訪問介護（ヘルパー）サービスが入っていましたが、同居の家族がいる場合は生活援助の食事準備のサービスを受けられないので、娘さんがするしかありませんでした。

髙橋）同居家族がいる場合は、訪問介護のサービスが限られますからね。

参考：【ケアマネが教える】訪問介護サービス利用上の注意点

そこで、昼食だけでもお弁当の宅配を活用するようお勧めしました。

佐賀）ですから毎日の食事準備だけで娘さんは疲れ果て、介護の限界を感じていました。

この事例の場合は、両親共に認知症のため、ただお弁当を届けるだけではなく、テーブルにセットし、食べるように声かけをしてくれるところにお願いしました。

髙橋）そんなことをしてくれる会社もあるのですね！でも、費用がかかりそうですね！

佐賀）会社に異なりますが、お弁当代だけで、そういったサービスを無料でしてくれるところもあります。また、物価が高騰しているので、材料を買って、それぞれ別の食事を作るよりもお弁当の方が安く済むこともあります。

髙橋）確かにそうですね。佐賀さんが担当されている方でお弁当の宅配サービスを利用している方はけっこういらっしゃいますか？

佐賀）まだまだ多くはないです。今でこそこれだけUberのようなサービスが一般的に使われるようになってきましたが、昭和世代の感覚では「ご飯はお家で作るもの」と思っているので、お弁当を利用することは手抜きをしているという負い目に感じているようです。

髙橋）実はまだ私、Uber未経験者です！

佐賀）私もなので、わかるのですが、介護が負担になって倒れてしまうよりは、介護の助っ人をお願いする感覚で宅配食サービスを活用して欲しいです。

この事例の娘さんは、昼食に宅配のお弁当サービスを利用するようになってからは、食事作りの負担が減っただけでなく、両親の食事のことを気にすることなく仕事に集中できるようになりました。

お父様・お母様は、「お弁当のお兄さんが来てくれるのが楽しみ！」とおっしゃっていました。献立の説明をしてくれたり、時には、テレビのリモコンを一緒に探してくれたりとサポートしてくれるので、安心して二人の時間を過ごせるようになりました。

髙橋）それは良いですね！そうなってくれると娘さんの後ろめたい気持ちも和らぎますね。

まとめ

お弁当に対して多少抵抗があっても、サービスを導入することで良いこともあるかもしれませんね。何よりも介護の負担が軽減されること、仕事に集中できるようになったことが大きいと思います。

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