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今回のテーマは「訪問介護サービスの利用の注意点 」です。

佐賀）訪問介護は大きく分けると２つあります。

①家事のサポートをする「生活援助」

②入浴・排泄などを介助する「身体介護」

このサービス、条件によって利用できないことがあるので注意してください。

特によく問題になるのが、家事のサポートをする「生活援助サービス」は「同居しているご家族がいる」と基本的に使えないです。

髙橋）ご家族からすると「えっ？！」と思いますよね。仕事などしていたら、家事のサポートをして欲しいという思うご家族もいらっしゃると思います。

佐賀）同居している家族がいると「生活援助サービス」が使えないことを、ご家族に伝えると「結局訪問介護サービスって何をしてくれるの？」「家事はどうしたらいいの？」「だれがやるの？」と言われてしまいます。

髙橋）ご家族からしても、「掃除や洗濯などの家事もお願いしたいのに！それはどうしたらいいの？」となりますよね！

佐賀）そのように思うご家族さんが多いのですが、「生活援助サービス」はあくまで“介護が必要になったご本人が出来なくなった家事を補うもの”なのでこのような制限がかかっています。

[生活援助サービスを利用できる条件]

①一人暮らし

②同居のご家族等が障害・疾病等がある場合

③その他　やむを得ない事情により、家事が困難と認められた場合

この３つの条件になります。③のその他の条件については、その方の状況に応じて個別判断になります。

髙橋）個別の判断はどのように決まるのですか？

佐賀）主治医・訪問看護師・ケアマネジャー・ヘルパーなど、その方に関わる各専門家が「サービス担当者会議（※）」という会議で検討した上で、市区町村に相談し、最終的に利用の可否が決まります。

※サービス担当者会議：ケアマネジャーが作成したケアプランの内容を検討しあう会議です。

ご家族が同居ではなく同じ敷地内の別棟に住まわれている場合でもケアマネジャーまたは市区町村の判断でサービスの利用がＮＧになるケースもあります。

髙橋）要支援・要介護の制限はないですか？

佐賀）要支援の方も要介護の方も条件に当てはまれば利用できます。介護度により利用回数の制限は異なります。

髙橋）たしか、生活援助サービスの1回の利用時間は60分以内ですよね。

掃除・洗濯・買い物・料理（調理）を全て60分で行うには時間が足りない気がしますが。

佐賀）そうなのです！スーパーマンでもちょっと難しいですよね。

介護保険のサービス利用は、“対象となる利用者の自立を促すこと”が大前提。さらに、高齢者の増加、介護人材不足などの理由もあり“地域の貴重な介護資源を配分していくための制限”をしなければいけない現状です。

髙橋）家事のサポート「生活援助サービス」の利用は平均月何回ぐらいですか？

佐賀）財務省の調査では、平均が月9回ぐらいです。

髙橋）週2回程度ですね。

佐賀）ですから民間の家事代行サービスや便利な家電を使っていらっしゃる方も多いです。

例えば掃除はお掃除ロボット、買い物は生協などの宅配サービス、料理（調理）は冷凍食品や宅配弁当を上手に利用されている方が増えてきています。

髙橋）最近では、民間の家事代行や、交通費などだけでお願いできる有償ボランティア、地域の支えあいサービスも増えていますよね。

佐賀）そういうものを上手に利用して頑張りすぎず程よく手抜きをして介護をしていただきたいです。

例えば料理は三度三度の食事を全て手作りと考えると、食事を作るご家族さんが倒れてしまいます。介護食品などを使って食事作りの時間を短縮しないと在宅介護は長続きしません。

実は私も、父の介護を3年間経験したのですが、仕事をしながら毎日父の食事を作るのは本当に大変でした。父の食事はやわらかくしなければいならなく、育ち盛りの息子の食事はまた別に作らなければいけなくて。

髙橋）それは大変でしたね！食事は楽しみの一つですが、作る家族にとっては負担になりがちですよね。どのような民間の家事サービスがあるかなども、今後、紹介していきます。

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