今回のテーマは「要介護2で認知症の方の介護サービスの利用例」です。

事例からどれぐらい介護サービスが必要になるかをイメージしていただけたらと思います。 要介護2で認知症の方の介護サービスの利用例についてケアマネジャーの佐賀唯衣子さんにお聞きします。

要介護2認知症の介護サービス利用例

佐賀）要介護１はちょっとした介護があれば生活ができますが、要介護2になると歩行が不安定になったり認知症の症状がさらに進んでちょっとした介護だけでは一人で安全に暮らすことが難しくなってきます。その先の要介護３になると歩行や排泄、着替えなどにほぼ全面的な介護が必要になります。

髙橋）要介護２がお一人で暮らせるかどうかの分かれ目になりそうですね。

佐賀）こちらは要介護２でお一人で暮らしている方の事例です。

Bさん　87歳　女性　ひとり暮らし（都内在住）　要介護２　アルツハイマー型認知症の方です。近所に娘さん夫婦がお住まいです。

膝痛により歩行は不安定ですが、家の中を一人で移動することはできています。
ただし、日にち・曜日・時間が分からないので、食事・服薬・着替え・歯磨き・デイサービスに行く準備など、全てに声かけが必要です。
毎日朝・夕、娘さんか娘さんの夫が来て、声をかけています。
シルバーカーで買い物に行くことはできますが、商品を選んだりお金を払う時は娘さんの手助けが必要です。

娘さんは日中パートの仕事をしているため、日中は認知症対応型デイサービスで週４回過ごしています。月に６泊７日程度、娘さんの息抜きも兼ねてショートステイ（お泊まりサービス）を利用しています。

介護サービスにかかる費用は、トータルで月55,000円（負担割合１割、負担限度額第４段階）です。
＊計算式　2000円＋1500円+100円＝3600円×7日=25,200円

髙橋）要介護２になるとかなりしっかりと介護サービスを利用することになり、費用の負担も増えますね。要介護１とはだいぶ違ってきますね。

〔関連動画〕

➤【要介護1認知症】1人暮らしできる？サポート内容やかかる費用の目安

佐賀）このように、要介護１に比べて介護量が急激に増えるのが要介護２です。要介護2は、ほぼ全面的に介護が必要となる要介護３になる前の準備期間と捉えましょう。

要介護２認知症介護のポイント

佐賀）この事例では、認知症型デイサービスを利用し、認知症ケアのプロであるスタッフから本人に適したケアを教えてもらっていること、今後、施設に入ることを予測し、ショートステイを利用していることがポイントです。

髙橋）ショートステイは、”ご家族の息抜き”という目的だけではないんですね。

佐賀）はい。本人が施設での暮らしに向いているのかどうか、もし向いていなければどんなことに気をつけてもらえれば本人が心地よく暮らせるようになるのか、この時期にショートステイを利用しておくことで見極めができます。

髙橋）今後、介護が大変になることを見越して、施設入所についても早めに家族で話し合うことが大切ですね！

まとめ

佐賀）本人がどんなことに興味を持っているのかなど、施設選びに繋がる情報を集めておきましょう。

この事例のBさんは認知症型デイサービスの料理レクリエーションに積極的に参加していたので、共同生活で料理を作るグループホームが向いていると分かり、要介護3になったタイミングで入居しました。

髙橋）趣味嗜好にあったところなら、心地よく暮らしていけそうですね。

佐賀）このような事例は多く、介護の専門職の情報は頼りになります。

まだ、要介護2になっていない方も、ケアマネやデイサービスのスタッフからの情報で、本人のちょっとした変化に気づき、早期対処することできます。

髙橋）早期対処は、要介護１から要介護２にならないためのポイントですね。

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