今回のテーマは「特養の種類の違い」です。

特養の種類の違いについて、特別養護老人ホームの元施設長大塚さんにお話しいただきます。

特養の種類

大塚）特養には「従来型」と「ユニット型」の2つの種類があります。

どちらの施設も一長一短があり、入居される方の状態や、負担できる費用で、どちらが良いかを検討して頂くことになります。

選び方のポイント

髙橋）うちの親にはどちらが良いのか？と悩みますよね。

大塚）具体的な例でお伝えすると

• ＜ユニット型に合う方＞
  意思疎通がしっかりでき、ご自身のプライベートな時間を趣味やテレビ、音楽鑑賞、ご家族との気兼ねない交流などで楽しみたいという方は、ユニット型は全室個室なのでおすすめです。
  ただし、費用面ではお部屋代が従来型よりも高くなるので注意が必要です。
  
  
• ＜従来型に合う方＞
  常に見守りが必要な方や意思疎通が難しく寝たきりの方、外部の目や生活音などの刺激があった方が良いという方、また孤独感の強い方などは従来型の相部屋がおすすめです。
  費用面は個室のユニット型より安くなる一方で、プライバシーの配慮がし辛く、古い施設が多いのも特徴です。

髙橋）自分の生活リズムに合わせた食事の時間や余暇を過ごしたい方はどちらが向いてますか？

大塚）ユニット型が向いています。

ユニット型は入居者1人に関わる介護職員の人数も多いので、個人の生活習慣に応じた対応がしやすくなります。

費用の違い

髙橋）従来型とユニット型では、どれぐらい費用が違いますか？

大塚）うち法人の東京都多摩市の施設を例におおよその金額をお伝えすると

〈要介護3の場合〉

• 従来型の多床室で月額約11万円から
• ユニット型の個室で月額約15万円から

大体4～5万円ぐらいの差があります。

髙橋）この金額の差は何ですか？

大塚）居住費といわれるお部屋代の差が一番大きいです。
ユニット型は個室なのでその分、従来型の多床室と比べて高くなります。

また、介護サービス費用が、ユニット型は介護職員の人数が多くなるので、月額25,000円ぐらい高くなります。

それ以外にかかる食費や日常生活費などはそれほど変わりません。

負担限度額認定について

髙橋）特養には、所得に応じて居住費や食費の負担を軽減してくれる「負担限度額認定」という制度がありますが、どちらの施設でも対象になりますか？

大塚）はい。「負担限度額認定」は従来型でもユニット型でも認定要件を満たしていれば、受けることが可能です。

髙橋）「負担限度額認定」について詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。

〔関連動画〕
➤【5分でわかる】介護保険負担限度額認定とは。申請や段階について知っておこう！

介護士の関わり方の違い

髙橋）その他に、「従来型」と「ユニット型」の大きな違いはありますか？

大塚）介護職員の関わり方にも違いがあります。

例えば、定員１００名の施設を例とすると

• 従来型は介護職員全員で100名の入居者さんにケアを提供します。
  
  常に複数人でケアに関わるので見守りしやすいのですが、100名個々の特性に合わせたケアは難しく、集団ケアになりやすいのが特徴です。
  
  
• ユニット型は10人前後のグループに入居者さんを分け、介護職員は自分の担当したグループ、つまり担当のユニットに専従します。
  
  担当する入居者さんの人数が限られているため一人一人の趣味・嗜好・生活リズムまでを理解し、その人の特性に合ったケアができるのが特徴です。一方で早朝や夜間などは職員1人でユニットを見なくてはならない時間もあり、十分な見守りが難しい点があります。

まとめ

髙橋）「こんなはずじゃなかった」とならない為には、それぞれの特性を理解した上で、施設見学をし、介護はいつまで続くか分からいので懐事情や、入居される方の状態に合った施設を選ぶのが良さそうですね。

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