今回のテーマは「サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）の入居事例」です。

ケアマネジャーでケアリビングアドバイザーの高橋ゆりえさんに、事例をお話しいただきます。どういう理由でサ高住に入居したのかを紹介することで、住み替えのヒントにしていただけたらと思います。

サ高住の特徴

高橋ゆりえ）私はケアマネジャー時代に様々な方の住み替えのサポートをしてきましたが、サ高住は有料老人ホームなどの他の施設よりも、自由度が高いので、自分がこうしたい！という希望を持っている方にはおススメしてきました。

髙橋）どのような方におススメしてきたのか、いくつか事例を教えていただいてもいいですか？

高橋ゆりえ）はい。では、暮らしが快適になったと喜んでいただけた事例を２つ紹介したいと思います。

入居事例1（骨折）

一つ目は、Aさん80歳の女性、アパートでおひとり暮らしをされていました。

要介護１の認定を受け、デイサービスや訪問介護のサービスを利用しながら生活されていましたが、外出先で転倒し、大腿骨を骨折してしまいました。

リハビリにより、歩行器を利用して歩けるところまで回復はしましたが、古いアパートの階段の登り降りは危険であると医師が判断し、転居先を探すことになりました。

髙橋）また転んだりしたら大変ですからね。

高橋ゆりえ）Ａさんは、医師から言われたので仕方なく引っ越しを決意しましたが、本当は今までの生活スタイルや介護サービスを変えたくないという気持ちが強くありました。そこで、地元のサ高住を探すことにしました。

髙橋）サ高住は入居者が介護保険サービスの事業者を選ぶことができるので、同じデイサービスを利用できる可能性がありますよね！Aさんの希望が叶うようなサ高住は見つかりましたか？

高橋ゆりえ）Aさんはラッキーなことに、家のすぐ近くでサ高住が見つかったので、今までと同じデイサービスに通い続けることができ、さらに、自宅に来てくれていた同じヘルパーさんがサ高住に来てくれることになりました。

住み替えに対してかなり後ろ向きでしたが、バリアフリーで、食事もおいしく、今までよりも快適になった！っと、すごく喜んでいただけました。

髙橋）おひとり暮らしの方にとって、24時間の見守りがあるのも安心につながったのではないですか。

高橋ゆりえ）はい。少し認知症もありましたので、エアコンのリモコン操作が分からないなど、ちょっとした生活のお困りごとに対しても、サ高住のスタッフがサポートしてくれるのは安心感につながったようです。

入居事例2（認知症）

２つ目は、現役の頃はバリバリのキャリアウーマンで、趣味も多く、サークル活動などを楽しんでいる90歳の女性です。

旦那様が亡くなった後、認知症が進行してしまい、サークルの日を忘れたり、お金のトラブルが増えたり、詐欺にあったりしたので、心配になったサークルの仲間が自宅を訪れると、家の中は足の踏み場がないほど散らかってました。

髙橋）それは、一人暮らしが少し難しくなってきた感じですね。

高橋ゆりえ）そうなんですよ。宅配弁当を利用していましたが、頼んでいる事も忘れて食べていなかったりしたので、親戚の方も心配になり施設を探すことになりました。

ただ、Ｂさんは週に1回のサークル活動は絶対に続けたいという強い希望があったので、自由に外出できるサ高住で住み替えを考えることにしました。

髙橋）有料老人ホームと違って、サ高住なら外出制限がないですからね。

高橋ゆりえ）さらにそのサ高住は、有料サービスですが、外出サポートがあり送迎してくれたので、サークル活動を続けることができました。

髙橋）それは、希望が叶えられて、喜んでいらしたのではないですか？

高橋ゆりえ）ご本人だけではなく、サークル仲間や親戚の方も喜んでいました。

食事は3食きちんと召し上がるようになり、住み替えのタイミングで後見人を付けたことで金銭トラブルもなくなりました。

髙橋）AさんもBさんも、サ高住に住み替えて良かったですね！

サ高住に住み替えのポイント

高橋ゆりえ）お二人とも望む生活が手に入りました。サ高住はケガや認知症で、日常生活において人の手が必要になっても生活スタイルを変えたくない方や、外部との交流を続けたい方に向いています。

髙橋）一人暮らしが難しくなってきたけど、自宅のような生活を希望する方にとって、サ高住は一つの選択肢として考えられますね。ただ、サ高住は色々なところがあるので、探す時はケアマネジャーや施設紹介会社に希望をしっかり伝えることがポイントです！

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