今回のテーマは「終活シリーズ：財産の整理と相続準備」についてです。

全ての人に関係する財産整理や相続に備えてやっておくべき事をお伝えします。
今回も相続対策の経験豊富な司法書士　村山先生にお越しいただき 、親としてやっておきべきこと ・子どもとして知っておくべきことを教えて頂きました。

相続準備～財産の整理整頓～

村山）相続準備で一番最初にすることは「整理整頓」です。

何の整理整頓かというと、具体的に3つあります。

1. 土地
2. 銀行口座
3. 生命保険

そんなこと？と思いますが、落とし穴もありますので気を付けてください。

1.土地の整理整頓

村山）持ち家がある人は、“土地建物の名義が自分たちの思っている名義と一致しているか”を確認してください。

例えば、お父さんが亡くなり、実家の名義はお母さんの名義に変わっていると家族は思っていたけど、調べてみるとお父さんの名義のままになっていた。

高橋）固定資産税の納税通知書がお母さん宛になったらお母さん名義に変わっているということではないのですか？

村山）そういうことではありません。“納税通知書の宛名”と“土地の名義”は必ずしも一致していません。

[注意点]

村山）気をつけて欲しいことがあります。亡くなった方の名義のまま放置した場合、罰金になる可能性があります。2024年4月1日から相続登記の義務化がスタートします。相続登記の申請は3年以内、登記名義人の住所変更は2年以内。

2.銀行口座の整理整頓

村山）どの銀行に口座を持っていて、いくら入っているのかをきちんと把握する。

使っていない銀行は解約して、“主要銀行”と“それ以外”の3つぐらいにまとめておくと良いです。

永井）なぜですか？

村山）なぜなら、相続の時に大変だからです。あまり使っていない口座は解約し、よく使う口座に合体して引き継ぎしやすくしておくことが、親の思いやりです。

それに、親が年金をいくらもらっているのかも把握しましょう。
なぜなら、介護に使えるお金のイメージがつきます。

高橋）介護施設の費用は年金内で納めたいと多くの方がおっしゃいます。

村山）年金は2ヶ月ごとに入金されるので、2で割れると1ヶ月あたり使える金額が分かります。

3.生命保険の整理整頓

村山）“保険会社”と“保険の種類”を確認しましょう！

確認して欲しいこと3つ

• １）金額と受取人
• ２）保険の種類
• ３）無駄な保険はないか

１）金額と受取人

村山）金額と受取人を確認するのは、相続で揉めないためです。

例えば　父・娘2人、遺言書なし

生命保険　1000万　長女が受取人

預貯金　2000万円　遺言書なし

→相続財産を長女と次女で半分とした場合

→相続額は、長女2000万円、次女1000万円になります。

なぜなら、生命保険は相続の話し合いの対象外になります。

相続財産の話し合いの対象になるのは、預貯金の2000万円です。

揉めない為には、保険も含めて相続のバランスを考えておく必要があります。

２）保険の種類

村山）死亡保険か、医療保険か、そして介護状態になった時に使える特約がついているか、を確認してください。

高橋）特約にはリビングニーズ特約というものがありますよね。

永井）余命6ヶ月以内と判断された時に受け取れる特約だったような。

高橋）それがあると看取りの時に助かると聞きます。

村山）介護現場ならではの声ですね。

３）無駄な保険はないか

村山）無駄な保険に入りっぱなしになっていないかの確認してください。

昔、お付き合いで入った保険がそのままになっているケースがあります。

例えば、無駄な保険を解約して、今の生活にゆとりが出る場合や、満期で受け取れるお金がある場合は、それが“いつ・いくら受け取れるか”を把握することで老後の資金計画がイメージしやすくなることがあります。

高橋）介護の費用でいくら使えるかイメージできることは大事ですね。

まとめ

土地・銀行口座・生命保険を整理することによって、介護が必要になった時に費用が足りるのか、財産をどうするのか、迷惑を掛けずに子供達に引き継ぐにはどうしたらいいか、といった終活の上で考えたい課題の解決につながります。

～ ゆるっとかいご　説明 ～

介護する家族を応援する介護情報チャンネルです。介護にかかる費用や、介護施設、認知症、相続のことなどを、はじめての方にも分かりやすくお伝えします！