今回のテーマは「要介護認定を受けたがらない親を説得する方法」です。

親のタイプ別に具体的な方法をお伝えします。

神戸）介護認定を受けたがらない親の心を覗くと、「自分はまだ大丈夫」、「年寄り扱いをされたくない」、「そもそも介護保険を使いたくない」などと思っています。

髙橋）そういう気持ちはわからなくないですけどね

神戸）そんな親に強引に認定を進めてしまうと、喧嘩になり、親子関係が気まずくなってしまうケースは珍しくありません。

そんな時は、本人が認定を受けたくなるような言葉をかけてみましょう！

髙橋）どんな言葉をかけたらいいのか具体的に教えてください。

神戸）親のタイプ別にどんな言葉が刺さりやすいかお伝えします

「ちょっとケチなタイプ」の場合

介護保険のお得さを伝えましょう！

例えば、

「家の片付け、誰かに手伝ってもらったらいいやん！家事代行サービスだと1時間5000円やけど、介護保険サービスだと300円ぐらいらしいよ、知っちょった？お得だけん使わんと損じゃない？役所の人に相談せんね。」

親に話しているリアルなイメージを伝えたかったので福岡弁でいかせていただきました。

髙橋）神戸さんのご出身は福岡でしたよね。個人的に福岡弁はかわいいので好きです。

それに、5000円が300円は、お得な感じが伝わります。

神戸）ちょっとケチなタイプはこういったお得情報にのっかってきます。

「ちょっとずぼらなタイプの場合」

デイサービスの便利さを伝えましょう！

また、福岡弁で例えをお伝えします。

「ねえねえ知っとった？デイサービスって温かいお昼ご飯が食べれるし、お風呂もはいれるんよね、家で入ったら掃除もしないといかんし、それを考えたらめっちゃ楽だと思わん？」

髙橋）お風呂の掃除とかは年をとると億劫になりますからね。

神戸）「ちょっとずぼらなタイプ」はいかに楽できるかを前面に出してください。

「几帳面でプライドが高いタイプ」

医師や役所という肩書を非常に意識する方が多いです。

そんな方には、

「今度、役所から話を聞かせてほしいという連絡があったっちゃけど、せっかくだけんお父さんの知っとることとか、教えてあげたらいいやん」といって要介護認定の申請を家族が進めます。

髙橋）これで、要介護認定の認定調査対策はバッチリですね！

認定調査員がお家に来た時に、「お父さん、この間話した件で役所の人が来たよ」と伝えるだけで質問に答えてもらえそうです！

神戸）そうです！ただ、質問項目が多いので、お父さんが途中で飽きる場合があります。そんな時は、「役所の人に教えてあげて」と囁くと、その気になって気持ちよく調査に協力してくれます。

また、このタイプは、権威がある方から言われると素直に受け止める可能性が高いので、受診の折に医師から介護保険サービスの利用を促してもらうのもありです。

髙橋）昔の人ほど効きそうですよね！

「俺はいいんだ、放っておいてくれタイプ」の場合

神戸） このタイプが一番難しいです。入院したりして本当に必要かられるまで動かない可能性があります。

なので、利用したいと思った時に申請がスムーズに進められるように、事前に地域包括支援センターとのつながりだけは作っておきましょう。

家族だけで地域包括支援センター行き、一人暮らししている、家がごみ屋敷、持病があるけど治療を受けていないなど、本人の状況を詳しく伝えてください。

地域包括支援センターのリストに記載され、必要に応じて定期的に訪問をしてくれます。

髙橋）地域包括支援センターに相談しておくと安心ですね！

神戸）「俺はいいんだ、放っておいてくれタイプ」の場合は家族が気長に待ち、いざという時の準備をしておきましょう！

このように、タイプに合わせてその気になるような声をかけると、意外とスムーズに介護認定の手続きを進めることができます。

子供が親のためにと思っていても、それが親に伝わらず、すれ違ってしまうことで、親子の気持ちが離れてしまうことがあります。

先日、出版した『介護のことになると親子はなぜすれ違うのか』では、「こんな時には、こうすればいい」という具体的な行動を、行動経済学のエビデンスに基づき提案しています。

髙橋）こちらの本は、行動経済学「ナッジ」の理論で、介護を巡る家族間の気持ちのすれ違いを、円滑に解決しているのがとても面白いです。この本には親子のコミュニケーションのヒントがいっぱい載っているので、悩んでいる方はぜひ！ご覧ください。

まとめ

介護は親子にとって、とても大事な時間です。すれ違いを減らし、穏やかに過ごせるといいですね。

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