今回のテーマは「床ずれ（褥瘡）」です。

原因と予防について介護保険外サービス「わたしの看護師さん」 神戸さんにお話しいただきます。

褥瘡(じょくそう)とは

神戸）「床ずれ」は医療・介護現場では、「褥瘡」といわれています。

どうして、「床ずれ」ができるかというと、寝たきり状態などで、体重によって圧迫されている部位の血流が乏しくなり、皮膚の一部が赤味を帯びたり、ただれたり、傷ができたりします。

髙橋）ただ赤くなるだけではなく、ただれたりするのですね！

神戸）さらに、重症化すると筋肉や骨まで及ぶこともあります。ただれたところが感染すると、ときには生命に影響することもあります。

髙橋）それは怖いですね！

床ずれ・褥瘡ができる原因・できやすい部位

髙橋）「床ずれ」は高齢になるとなりやすくなるのですか？

神戸）いいえ、高齢者だけではありません。
「床ずれ」のほとんどは、寝たきり状態や、車椅子に座りっぱなしの状態が続くなど、継続的に圧迫されることによって起こります。

健康な人は寝ているとき、知らず知らずのうちに寝返りを打つことができますが、寝たきりの人は自分で寝返りを打つことが難しいので、後頭部やおしりのでっぱりの部分、かかとなどに「床ずれ」ができてしまいます。

髙橋）かかとにもできてしまうのですね！

神戸）はい！敷布団に触れている、骨が出っ張っているところにできます。
車椅子などに一日中座っている人は、お尻にある、尾てい骨にできてしまいます。

髙橋）尾てい骨に「床ずれ」ができてしまうと、寝ている時にも痛くて、寝ても覚めても痛いというのは辛いですね。

神戸）見ている方も痛々しいです。また、加齢によって皮膚が薄くなっていたり、栄養状態が悪かったり、糖尿病などの持病により皮膚の再生機能が落ちたり、感染に対する抵抗力が落ちたりしていると「床ずれ」がさらにできやすくなります。

床ずれ・褥瘡の予防方法３つ

髙橋）「床ずれ」（褥瘡）を防ぐにはどうしたらいいですか？

神戸）「床ずれ」を防ぐためのポイントは、大きく分けて3つあります。

予防方法1．体圧分散

神戸）1つ目は、「骨の飛び出ている部分にかかる、圧力を分散させること」です。

寝ている時の骨への圧力を分散させるために、「エアマットレス」や「ウレタンマットレス」などの、軟らかい敷布団を使用することをお勧めします。

車椅子などに座っている時も同じように「ウレタン製の座布団」や「ドーナツ型の座布団」などを使用することで、尾てい骨などへの圧力を分散させることができます。

髙橋）「エアマットレス」や「ウレタンマットレス」は福祉用具のレンタルもできるので、要介護認定を受けている方はケアマネジャーに一度相談してみるといいですね。

予防方法2．皮膚のケア

神戸）2つ目は「皮膚を清潔に保つこと」です。

汗や排泄物でオムツや寝具、パジャマが汚れた場合、すぐに取り替えてください。

不潔な状態や長時間皮膚が蒸れてぶよぶよの状態になると、摩擦力が5倍になり、少しの刺激でも皮膚が傷つきやすくなります。

ただ、皮膚が乾燥することによっても、傷つきやすくなるので、清潔にした後は、保湿クリームなどのケアが大事です！

髙橋）傷口からばい菌が入ると感染症の原因にもなりそうですね。

神戸）感染症は床ずれも全身状態も悪化させるので、気をつけましょう。

予防方法3．栄養をとる

神戸）3つ目は、「栄養状態を良くすること」です。

栄養が行き渡らないと、「床ずれ」ができやすくなり、できてしまった「床ずれ」は治りにくくなります。タンパク質やカロリーが取れる食事を意識してください。

ドラッグストアなどで販売されている、補助食品などを利用すると、ご本人もご家族も負担が減ると思います。

髙橋）補助食品とは具体的にどのようなものですか？

神戸）例えば、カロリーメイトやメイバランスなどのバランス栄養食品のことです。

まとめ

神戸）「床ずれ」は痛みが付きまとい、治るのも時間かかるので、介護を受けるご本人のQOLが下がります。介護をするご家族も、痛がる様子を見続けるのはつらいですよね。

髙橋）エアマットレスやバランス栄養食品などを上手に活用して「床ずれ」を予防したいですね。

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