今回のテーマは「隠れ脱水症」です。

保険外看護サービス「わたしの看護師さん」の神戸さんにお話しいただきます。

認知症？隠れ脱水症？

神戸）認知症かな？と思ったら　実は、脱水症状だった！なんてことがあります！

髙橋）それは、どういうことですか？

神戸）意識がぼーっとしているな！いつもとは違う、頓珍漢なことを言うな！と思って、いよいよ認知症になったかと、ご家族が病院に連れていったら、実はただの脱水症だったいうエピソードがあります。また、意識がなくなった方が点滴を受けただけで、意識が戻り、いつものように会話ができるようになったそうです。

髙橋）そんなことがあるのですね～。

神戸）ですから、なんか最近ぼーっとしているな！と思ったら、まずは、水分摂取を促してください。症状が改善されることがあるかもしれません。

脳細胞に水分がいきわたることで、意識がしっかりしてくるというケースは多くあります。

髙橋）脱水症って怖いのですね～。

神戸）実は、冬に脱水症状になる方も多いのです。

髙橋）夏だけではないのですね！冬はあまり気にしていませんでした。

冬に脱水症状になる理由4つ

神戸）冬に脱水症状になる代表的な理由を４つご紹介します。

1. 水分を摂らない

神戸）１つ目は、「トイレに行く回数を減らしたいから、水分を摂らない」です。

これは、特に冬場は要注意です！

髙橋）高齢者になるとトイレに行くのが億劫になるというのと関係しているのですか？

神戸）そうなのです！普段から億劫なのに、寒くなると余計に行きたくなくなるのです。
トイレの回数を減らすために、水を飲まなくなるのです。

髙橋）私たちでも、寒いと動きたくなくなりますからね。

神戸）ですよね。でもそこは頑張って水分を摂っていただきたいところですね。

2. 身体の水分量の減少

神戸）２つ目の理由は「身体の水分量が減る」です。

一般的には、成人の身体の約60％が水分だといわれています。
この水分は主に筋肉に蓄えられています。年をとると、筋肉量が減るので、体内の水分量も減ります。

髙橋）それは知らなかったです。

神戸）ですから、高齢になると、若い頃に比べて約10％水分が減ると言われています。
つまり、若い頃より脱水症になりやすくなるというわけです。

✔体内の水分量チェック

神戸）ここでみなさんと髙橋さんに体験してもらいましょう！
①まず、手の甲を20秒つまんでみてください。
②そして指を離してください。

髙橋）はい！（つまんでみる）

神戸）どうでしたか？

髙橋）もどりました！

神戸）よかったですね！高橋さんはすぐに戻りましたね！
つまんだ後がいつまでも残っていたら、体内の水分量が減っている証拠です。
おじいちゃん、おばあちゃんにしていただくと、富士山みたいなのがいつまでも残っています。

髙橋）よかった、まだ若いってことですね（笑）

神戸）ですね（笑）

3. 食事量の不足

神戸）３つ目の理由は「全体的な食事量が不足する」です。

飲み物だけではなく、食べ物からも水分を摂取しています。

加齢で食が細くなったり、食べ物を飲み込む力が低下したりすると、全体的な食事量が減り、水分が不足しやすくなります。

髙橋）食事量が減ることで水分も減るのですね。

神戸）高齢者の場合、精神的なストレスでも食欲が低下しやすいため、要注意です。

4. 感覚機能の低下

神戸）４つ目の理由は、「感覚機能が低下する」です。

加齢とともに喉の渇きを自覚しにくくなります。

「喉が渇いていない」のではなく、「渇いているのがわからない」ので、水分摂取が遅れがちになってしまいます。そのため、家族が意識して水やお茶を飲むことを促さないと、脱水になってしまう可能性が高くなります。

髙橋）高齢になると喉が渇いているのも気づきにくくなるのですね。

神戸）その他には、 利尿剤の影響や腎臓の機能低下などがあります。

脱水症の症状

脱水症の症状としては

• 症状①　皮膚や唇の乾燥　皮膚の弾力低下
• 症状②　微熱
• 症状③　食欲低下
• 症状④　疲れやすい　脱力感
• 症状⑤　立ちくらみ
• 症状⑥　血圧低下
• 症状⑦　意識障害　　

このような症状があらわれた場合、経口補水液をすすめてください。家庭内の対処で悪化を防ぐことができることがあります。
改善しそうに無ければ、病院を受診してください。

脱水症状による大きな病気

髙橋）脱水症状によって大きな病気になったりすることはあるのですか？

神戸）脱水症状から引き起こされる大きな病気としては、心筋梗塞や脳梗塞です。
水分が不足することで血液が濃縮され、血液の流れが悪くなったり、血栓ができたりするなどして、心臓や脳の血管が詰まり、ついには心筋梗塞や脳梗塞になる可能性が高まります。

まとめ

髙橋）思っているよりも脱水症は怖いということがわかりました。普段から水分摂取を促し、予防につとめたいですね。

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