今回のテーマは「認知症の人がご飯を食べてくれない！そんな時、考えたい３つのポイント」 についてです。

渡辺先生にお話しいだきます。

認知症の人がご飯を食べない時の3つの工夫

髙橋）渡辺先生、認知症の人が「ご飯を食べてくれない時」は、どんな理由が考えられるのでしょうか？

渡辺）認知症の人がご飯を食べない理由は様々ですが、大きく分けて３つポイントがあります。

• １つ目は「食器の置き方」の工夫
• ２つ目は「介助をする時」の工夫
• ３つ目は「気持ちを動かす」工夫です。

解決策①

髙橋）具体的には何をするのですか？

渡辺）まずは１つ目の「食器の置き方」の工夫について。

認知症の人の中には、「実行機能障害」といって、段取りをうまく立てられない方がいます。
そういう人にとって、目の前にたくさんの料理が並んでいると、どれから食べればいいか分からず、食事が進まないことがあるんです。

髙橋）確かに、私たちでも迷ってしまうことがあります。

渡辺）そうなんですよね。

そんな時は、一皿ずつ出したり、どんぶり物にすることで、目の前の料理に集中できる人も多いです。

髙橋）なるほど！そうすることで、食べることに集中できるんですね！

解決策②

渡辺）続いて２つ目の「介助の工夫」について。

認知症の人の中には「失行」といって、手は動かせるのに、どうやって食べればいいか分からなくなる人がいます。そのため、食べ方が分からず食事が進まないことがあるんです。

髙橋）そうなると、家族が一口ずつ口に運ぶ必要があるんでしょうか？それだと負担が大きくなりそうですね……。

渡辺）そうですね、食事介助は時間もかかるし、大変ですよね。でも、実は、ちょっとしたキッカケ作りをすることで自分で食べられるようになることもあります。

例えば、箸やスプーンを手に持ってもらい、家族がその手を軽く支えて最初の一口を運ぶと、その後は自分で食べられることがあります。また、お茶碗を持ってもらうことで「食べるスイッチ」が入る人もいます。

髙橋）なるほど！最初の一口をサポートするだけでも違うんですね。

渡辺）そうなんです。

さらに家族が、一緒に食べることが出来る場合は、食べる動作を見せてあげることで真似して食べられるようになることもあります。

髙橋）確かに、周りの人が食べていると「自分も食べようかな」と思うことがあります。一緒に食べる環境を作るのも大切ですね。

解決策③

渡辺）その通りです。最後の3つ目は「気持ちを動かす」工夫です。

よっちゃん、ご飯が美味しそうに感じられる瞬間って、見た目以外にどんな時ですか？

髙橋）私は、いい匂いがすると食欲が湧きます！

渡辺）そうなんですね～！

認知症があるとかないとか関係なく、本人がご飯を食べたいと思ってもらえるような働きかけが大事なんですね。

僕が出会った認知症の人で、最初は食べるんですが、途中で食べるのをやめてしまう人がいたんですが、電子レンジで温めなおすと「いい匂いがするなぁ」と言って、また食べてくれることがありました。

また、好きな食べ物だと自分で手を伸ばして食べる人もいます。
例えば、お寿司が好きな人なら、他の食事では食べなくても、お寿司なら手が伸びることもあるんです。

髙橋）なるほど！「食べたい！」という気持ちを引き出すのが大事なんですね。

まとめ

渡辺）また、食事を拒否する原因には、入れ歯が合わない、口内炎がある、便秘など、身体の不調が関係していることもあります。ご飯を食べない理由は、一人ひとり、みんな違うので、デイサービスなどの介護職の人に相談し、上手な関わり方を見つけるのもおすすめです。

髙橋）何が原因で食べないのかを見つけられると、介護がぐっと楽になりますね！

～ ゆるっとかいご　説明 ～

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