今回のテーマは、「早く相談することのメリット２つ」です。

きらめき介護塾の渡辺先生にお話しいただきます。

親が認知症かも？早期相談のメリット

渡辺）「親がもしかしたら認知症かもしれないので、病院で受診したいけど、本人が行きたがらなくて困っている」というご家族さんからの相談があります。

“病院に行きたくないという本人の気持ち”を大事にすることは大切ですが、普段、血圧など他の病気でかかっている病院がある場合は、まずご家族だけでもいいので相談に行ってください。

髙橋）早く相談する一番のメリットは何ですか？

渡辺）認知症の薬の多くは、初期の頃に効き目があると言われています。ですから、まずお医者さんに相談することが大事です。病院に連れていくことが難しい場合は、往診に来てくれるお医者さんもいます。

病院以外の相談先

髙橋）病院以外に相談する先はありますか？

渡辺）各市町村には「地域包括支援センター」という介護のことなどを相談する窓口があります。

最近では、介護のサービスに繋がっていない認知症の人をサポートする「認知症初期集中支援チーム」という、認知症に詳しいお医者さんをリーダーとする専門家の集まりも各市町村にあります。

“あれっ？”と思ったら、まずは家族だけでもいいので、相談に行くことが大事です！

具体例

渡辺）早く相談することで、本人、そして家族にとって、どんな良いことがあるのかを具体的にお伝えします。

もっとも多いアルツハイマー型認知症は「記憶障害」が特徴です。

この「記憶障害」ですが、初期の頃、まず覚えられなくなります。新しいことを頭の中に覚えることが出来なくなってしまうのです。

覚えられなくなると、どんな症状が出てくるでしょうか？

髙橋）何回も同じことを聞いたり、冷蔵庫にあるものをまた買ってきちゃったりとか。

渡辺）そうですね。他にも友達との約束を忘れてしまうこともあるかもしれません。でも忘れてしまうだけなら、手帳に書くとかすればいいですよね。

「髙橋さんは、約束などいつも頭の中で全部覚えていますか？」

髙橋）ムリですね～。手帳に書いたり、大事なことはメモして冷蔵庫などに貼ったりもしています。

渡辺）そうですね。「認知症」と言っても、初期の頃は私達とあまり変わりません。だから「こうしたらいいかも！」と、対応方法が考えやすいです。

では、認知症が進行すると「記憶障害」がどうなっていくか？というと。

このように覚えていたことを忘れてしまうようになります。頭の中に入っていた大事なことを、少しずつ忘れてしまうのです。今まで覚えていた大事なことを忘れてしまうと、どんな症状が出てくると思いますか？

髙橋）家族のこと、誰だか分からなくなるとか、認知症が進行すると、ゴミ箱をトイレだと間違って、おしっこをしてしまう人もいると聞いたことがあります。

渡辺）そうですね。認知症が進行して、覚えていたことを忘れてしまうようになると、初期の頃に比べてかなり介護が大変になります。もちろん本人も、毎日しんどいと思います。

ですから、近年では、認知症は「早期発見！早期治療！早期対応！」が大事！と言われています。

「アルツハイマー型認知症」は進行していく病気ですが、老化からいきなり、家族のことを忘れたり、ゴミ箱におしっこをしてしまったりする状態になってしまう人は決していません。

まずは初期、そして中期に認知症が進行してしまうと、このような状態になる可能性があります。大事なことは、認知症になったから、全ての人が、ゴミ箱におしっこをしてしまうとか、家族のことを忘れてしまうようになるわけではありません。

早く相談するメリットまとめ

渡辺）早く相談するメリットの一つ目は、お医者さんに早く相談すれば、認知症のお薬を早くから使い始めることで病気の進行を遅らせることができる。

2つ目は、早く専門家にサポートしてもうことができます。
介護のサービスを上手に使うことで、家族の負担は軽減し、本人も安心できます。そうすることで認知症になっても初期の状態を維持しながら、寿命を迎えることができる可能性があります。

髙橋）早く相談することで、本人も、ご家族も負担が軽減することができるのですね。

～ ゆるっとかいご　説明 ～

介護する家族を応援する介護情報チャンネルです。介護にかかる費用や、介護施設、認知症、相続のことなどを、はじめての方にも分かりやすくお伝えします！