今回のテーマは「認知症の親の遠距離介護」です。

どんなケアプランなのか、だいたい月にどれぐらいの費用がかかるかなど事例を交えてお伝えします。

認知症の遠距離介護

佐賀）私が担当している中で、上手に介護サービスを利用することにより、認知症になってもおひとりで生活を続けているケースがいくつかあります。その中でもご家族が息子さんお一人で、離れて暮らしている事例を紹介します。

髙橋）遠距離介護が可能になったケースですね！

遠距離介護事例

佐賀）こちらの事例をご覧ください。

ご利用者Nさんは76歳女性、都内在住。
ひとり息子さんは55歳で名古屋に住んでいらっしゃいます。
Nさんは要介護度は3、アルツハイマー型認知症を発症しており、かつ間質性肺炎を患っているので治療継続が必要な方です。
息子さんは老人ホームの入居を勧めましたが、お母さまが自宅に住み続けることを強く希望されました。

髙橋）認知症の方で要介護３というとご自宅でのお一人ぐらしは難しいイメージがありますが・・・・

佐賀）介護保険サービスや自費ヘルパー、配食サービスなどの様々なサービスを組み合わせることにより、2年ほどお一人暮らしを続けられました。

髙橋）専門家の手を借りることにより可能になるのですね。

遠距離介護のケアプラン

佐賀）具体的なケアプランです。

• 火曜日と土曜日は認知症対応型デイサービスに通い、そこで入浴。
• デイサービスに行かない日の午前中は、訪問看護や訪問介護にて体調管理や朝食の声かけ、お薬の確認。
• 昼食と夕食は配食サービスを利用。日曜日だけは麺類など好きなものを自費のヘルパーさんと一緒に作る。
• 介護保険で利用可能な範囲を超えた分は、自費のヘルパーさんに、買い物や掃除、洗濯、夕食の声かけなどをお願い。
• 医者の診察や歯の治療も訪問診療を利用。
  そうすることで、外出の負担や通院の付き添いがなくても治療の継続が可能となりました。

髙橋）これだけサービスを利用するとけっこう費用がかかりそうですが・・・・

費用の内訳

佐賀）かかった費用は下記の通りです。

医療保険分が訪問診療、訪問歯科、訪問薬局、お薬代を合わせて月約18,000円

介護保険分が訪問看護、訪問介護、福祉用具レンタル、デイサービス利用料を合わせて月約28,800円（自己負担１割）

自費でかかるデイサービスの昼食・おやつ代や、自費のヘルパーさん、配食サービスを合わせて月約118,800円

　　合計で月約165,600円です。

髙橋）それぐらいかかるということですね。

まとめ

佐賀）本来であればご家族が実家に戻ってやらなければならない、通院の付き添いや、薬の受け取り、薬のセットなどは専門職の手を借りることにより、息子さんにご登場いただくのは、年に3回程度です。最近では、ケアプラン見直しする「サービス担当者会議」の参加を、ご家族の状況に応じてオンラインで対応する事業所も増えてきています。

髙橋）それなら、遠距離でも介護ができそうですね！

先日、2023年6月14日に成立した「認知症基本法」により、認知症の方が住み慣れた地域で暮らすための、自治体のサポート体制などが、今まで以上に強化されそうなので、家族としては期待したいですね。

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