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今回のテーマは「医療費控除」です。

髙橋）介護のサービスは条件を満たせば、医療費控除ができることをご存じですか？今回は、公的支出の適正化「賢約サポート」を広める活動をしている藪内祐子さんに「医療費控除の誤解」についてお話しいただきます。

一般的な知識として「医療費控除」は “1年間に一定額以上の医療費を支払った場合に受けられる控除"と理解されていると思いますが、介護の費用も医療費に含められるのでしょうか？

藪内）一定の条件を満たしていれば、介護サービスも医療費に含めることができます。介護サービスには、入浴や食事介助など日常生活のお世話をする「福祉系サービス」と、看護師などが訪問して療養上のお世話をする「医療系サービス」があります。

髙橋）この「医療系サービス」は医療費控除にできそうですね・・・

藪内）そうです。「医療系のサービス」は、基本的にすべて「医療費控除」の対象となります。今回、皆さんに1番お伝えしたいことは、「福祉系のサービス」は医療費控除の対象とならないと誤解されている方が非常に多いという現実です。

髙橋）それはどういうことですか？

藪内）福祉系のサービスは、単独で利用している場合は、「医療費控除」の対象となりませんが、医療系のサービスと組み合わせて利用している場合は、「医療費控除」の対象となります。

髙橋）組み合わせて利用するとはどういうことですか？

藪内）例えば、こちらの表を見ていただきたいのですが

表①

身体介護とデイケアを利用している場合や、デイサービスと訪問看護を利用している場合は、「福祉系サービス」である身体介護やデイサービスも「医療費控除」に合算できるということです。

髙橋）では、介護サービスはすべて医療費控除に含められるということですか？

藪内）いえ、訪問介護のうち生活援助に該当するサービスや福祉用具のレンタル、福祉用具購入、住宅改修費などは、「医療費控除」に含めることはできません。

髙橋）自宅での介護はよくわかりました。施設での介護の場合はどうですか？

藪内）施設はたくさんありますが・・・

表②

そのうち、「介護四施設」と呼ばれる特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、療養病床、介護医療院は、医療費控除の対象となります。対象施設は、領収書に「医療費控除対象額」が記載されているので、わかりやすいと思います。

髙橋）対象とならない施設はどんなものがありますか？

藪内）グループホームや有料老人ホームなどは医療費控除の対象となりません。

髙橋）これはどこで調べたらいいでしょうか？

薮内）国税庁のホームページにわかりやすく載っています。

国税庁のホームページ

（居宅）https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1127.htm

（施設）https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1125.htm

髙橋）この医療費控除は、だれが申告するのが良いですか？

藪内）基本的には、所得が一番高い人が家族の医療費を取りまとめて申告するのがいいですね。

髙橋）家族の医療費は取りまとめて申告できるのですが？

藪内）はい。同居の家族は扶養に入っていなくても合算できます。別居の場合でも扶養家族であれば問題ありません。基本的には、誰の医療費かということより、誰が払ったかが重要です。

髙橋）なるほど。こういうことって本当に知らないですよね。　誤解されていた方も多いと思います。

藪内）そうなのです。誰も教えてくれないので、わからないことや疑問に思ったことは、自分から聞きに行ったり調べたりすることが大切です。

髙橋）申告してない介護サービス費があるかも！と思った方は、まずは税務署に電話してみましょう！

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