今回のテーマは「おひとりさまの終活費用」です。いくら準備すればいいか村山先生にお話しいただきます。

おひとりさまの終活費用

村山）周りに頼れる人がいいない方、いわゆるおひとりさまの終活費用は少なくとも100万円くらいと思ってください。なぜなら、「認知症になった時」と、「死亡した時」に備えるために必要になるからです。

髙橋）「認知症になった時」と、「死亡した時」の対策が必要なのですね！

認知症に備える

村山）まず、「認知症になった時」の対策として、有効なのは「任意後見契約」です。

　ちょっと想像してみてほしいのですが、

　おひとりさまが認知症になって、お金をおろしにいけなくなったら、だれが銀行に行けると思いますか？

髙橋）そうですね・・家族がいないとなると・・・誰も行ってくれる人がいないような

村山）そうなると「法定後見人」をつけるしか方法はありません。

「法定後見人」は「任意後見人」と違い、自分で選んだ人ではない人に財産管理などをサポートしてもらうことになります。

よっちゃんだったらどっちがいいですか？

髙橋）私だったら、自分で選んだ人のほうが安心です。

村山）そうですよね。だからこそ、元気なうちに「任意後見契約」を結び、将来の後見人を自分で決めておけば、万が一認知症になっても、自分が選んだ任意後見人が財産管理や身の回りのケアをサポートしてくれます。

髙橋）「認知症になった時」の対策は「任意後見契約」なのですね。

死亡した時の対策

村山）次に、「死亡した時」の対策として有効なのは「死後事務委任契約」です。

「死後事務委任契約」は、どういう葬儀がいいか、どこに納骨をして欲しいかなど、亡くなった後に家族がやってくれるような死後の後片付けをお願いする契約です。

髙橋）亡くなってしまったら、自分の骨をどうすることもできないですからね。

村山）この契約をしておかないと、介護施設、遠縁の親戚、大家さんなどに多大な迷惑をかけてしまうことがあります。

髙橋）お墓のことなど遺言書ではできないのですか？

村山）「遺言書」でできることは法律で決められているのですが、そこに葬儀や納骨は入っていません。別途、死後事務委任契約を結ぶ必要があります。

　　「遺言書」でできることは、自分の財産をだれに渡すのかという部分です。

　　相続人がいない方や、疎遠な親族に財産が相続されることを望まない場合は、「遺言書」も必ず書いてください。死亡後の寄付を希望されるおひとりさまも多いです。

終活にかかる費用の内訳

髙橋）これらの契約をするといくらかかるのですか？

村山）「任意後見契約」や「死後事務」、「遺言書」をトータルでサポートしてもらうと、契約時に40～60万円程度かかります。
葬儀費用は別途準備しておく必要があるので、葬儀の内容にもよりますが、ざっくり考えて少なくとも100万円くらいはあったほうがいい、という事になります。

髙橋）だからそれぐらいかかるということなのですね。

村山）補足ですが、任意後見契約の費用は、「契約時にかかる費用」と「認知症になってから発生する費用」があります。

詳しくはこちらの動画をご覧ください。
➤【5分でわかる】成年後見制度「任意後見」をわかりやすく解説　

まとめ

髙橋）おひとりさまで認知症になっても安心して暮らしたい、自分の望む最期を迎えたい、周りに迷惑をかけたくないと思うなら、「任意後見契約」、「死後事務委任契約」、「遺言書」が必要になりそうですね。

おひとりさまの終活費用としては少なくても100万円ぐらいはかかると思って準備しておきたいですね。

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