今回のテーマは「世帯分離 」です。

今回は「世帯分離のメリットデメリット」について 「賢約サポート」を全国に広める活動をされている 薮内祐子さんをゲストにお招きしてお伝えます。

世帯分離 とは

髙橋）世帯分離とは、どういうことでしょうか？

藪内）髙橋さん、2世帯住宅って知っていますか？

髙橋）１つの家だけど親と子が1階と2階に住んでいるお家ですよね？

藪内）2世帯住宅の場合、同じ家に親と子が一緒に住んでいて、住民票は親世帯と子世帯で分けていることが一般的です。一つの家に世帯主が2人。これは親と子の世帯が分離されているといえます。

髙橋）世帯分離をしていると住民票が別々ってことなのですね！

藪内）世帯とは、住民票上の家族をさします。

一緒に住んでいる親子でも2世帯住宅のように、住民票を分けることができます。それが世帯分離です。

世帯分離を考えたほうが良い人

髙橋）どんな人が世帯分離を考えたほうがいいですか？

藪内）例えば、介護を受けている人が非課税で、働いている家族と住民票が一緒の場合は、世帯分離を考えると良いと思います。

髙橋）それはどういうことですか？

藪内）例えば、親夫婦が非課税で、息子夫婦が課税の場合、親も課税世帯の一員となってしまいます。

それを親夫婦と息子夫婦で住民票を分けることにより、親夫婦は非課税世帯となり、それにより、メリットを受けることができます。

世帯分離のメリット・デメリット

髙橋）非課税世帯になると、どのようなメリットがあるのですか？

藪内）介護で考えると介護保険料が軽減されます。また、高額介護サービス費の負担限度額が下がるので、結果的に介護費用の負担が減ります。特養・老健などの公的施設を利用している場合の食費と部屋代の軽減が受けられるようになる可能性があります。

※介護保険料の軽減は世帯分離をした翌年度から適用になります

髙橋）介護以外のメリットは何かありますか？

藪内）他にも医療費などの軽減や、おむつの支給など自治体独自の福祉サービスを利用できるようになる可能性があります。

髙橋）デメリットはないのでしょうか？

藪内）親が75歳未満で子供と同じ国民健康保険に加入している場合、世帯分離することで、国保料が少し上がるケースがあったり、親も子も介護サービスなどを利用している場合に、高額介護サービス費の合算ができなくなったりするケースがあったりします。

髙橋）事例としては少なそうですね。

藪内）そうですね。ほとんどの方がメリットの方が多いと思います。

税金の扶養は

髙橋）世帯分離しても、税金の扶養に入れたままで大丈夫ですか？

藪内）はい、税金の扶養は住民票ではなく、実態で判断するので世帯分離しても扶養関係はそのままで大丈夫です。

髙橋）扶養のところはまた次回にでもお願いします！

世帯分離の手続き　

髙橋） 世帯分離する時はどうしたらいいですか？

藪内）役所の市民課などの住民票の担当課で手続きできます。必要書類についてはマイナンバーカードと認印が一般的ですが、手続きする人によっては委任状などがいる場合があるので事前に確認することをおススメします。

髙橋）手続きする時は、理由を言うのですか？

藪内）理由は原則として必要ないです。もし聞かれた場合は、あくまでも実態に合わせる為とか、家計を明確にする為とかそういう風に答えてください。
前回の障害者控除を申告することにより、新たに非課税になる方もいると思うので合わせて考えてみてください。

〔参考〕
➤【必見】要介護認定を受けたら障害者控除も申告しよう！

髙橋）介護の負担が軽減される可能性があるのは大きいですね。住民票の在り方なども一度ご家族で話し合ってみてください。

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