今回のテーマは「特養（特別養護老人ホーム）に入れない理由TOP３」です。

待機者が多いというイメージの特別養護老人ホーム。しかし、そもそも申し込んでいたとしても入れない人がいます。 どういった人が入りづらいのか、特養施設長に教えて頂きました。

特養に入居できない理由　トップ３

大塚）特養に入居できない理由トップ３を上げさせていただきます。

1. 認知症の周辺症状
2. 医療行為
3. 家族の理解

髙橋）それぞれ具体的に教えてください。

1.認知症の周辺症状

大塚）特養に入居される方は「要介護３以上」になりますので、ほとんどの方が認知症を発症しています。ただ、症状により入居が困難になる場合があります。

• 特養の職員人員配置でも安全に看ることができるか
  
  夜間は日中よりも人員配置が少なくなります。昼夜逆転していて歩き回ってしまうような方や頻繁にトイレに行かれ、その都度職員の介助が必要な方などは、入居が難しくなる場合があります。

• 共同生活ができるか
  
  頻繁に大声で怒鳴ったり、人の部屋に入って暴力行為をしてしまったりなど、他の方に迷惑をかける可能性が大きい方は、入居が難しくなります。

髙橋）認知症の症状の中でも“他の入居者さんに迷惑をかけるかどうか”というのがポイントになるのですね。

2.医療行為

大塚）ほとんどの特養では医師が常駐しておらず、また夜間は看護師がいません。受け入れが出来ない代表的な状態としては

• 毎日の点滴が必要な方
• （鼻から栄養を補給している）経鼻栄養の方
• 夜間の痰の吸引が必要な方　（など）

専門的な言葉になりますが、胃ろう・ストマ・バルーン・在宅酸素などの医療行為に関しては、受け入れが出来ることが多いのですが、看護師の対応できる範囲になりますので受け入れの人数を制限することがあります。

インシュリン注射に関しては、内容によって受け入れられる施設と受け入れられない施設があります。

医療行為については、申込書を書く前に希望する施設に電話にて確認してください。

3.家族の理解

大塚）実は施設にとってここが一番重要なポイントです。

例えば、家族の方から「絶対に転倒させないで欲しい！」と言われるようなケースは非常に難しいです。施設としては最大限の事故防止に努めますが、100％の事故防止はマンツーマンの対応でもしない限り難しいです。
また、「毎日個別のリハビリをして欲しい」などの極端な要望も厳しいです。
他にも「家族の方が定期的な受診や緊急時に駆け付けをしてくれない、物品も依頼しても持ってきてくれない」なども特養として困るケースです。

施設でできること・できないことの理解をしてもらうということがとても大切になってきます。

髙橋）施設を困らせてしまうようなことを言ってしまう家族ですと、入居が難しくなってしまうのですね。

大塚）むしろ、家族の理解さえあれば、施設としても多少の受け入れが難しいケースの方でも、頑張って受け入れよう！という気持ちになります。

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