今回のテーマは「特別養護老人ホームの入居の流れとそのポイント」についてです。

実際、どのような流れで何が基準に入居が決定されているのか 。
特別養護老人ホーム 「ケアプラザさがみはら」の大塚施設長に教えていただきます。

特別養護老人ホームの入居の流れ

大塚）世間では、特別養護老人ホームは1年とか2年とか待つと言われていますが、実際には申し込みから早くて2週間で入居が決定する方もいます。

入居決定までの流れをお伝えすると

入居申込

• 【入居希望者】特養「入居申込書」を記入し申込みする。

ポイント★入居対象者は、介護度3以上かつ、医療依存度が高くないこと。

特養入居は原則、要介護３以上の方対象となる為、要介護度３以上の判定結果が出ているかどうかご確認ください。特養は「暮らしの場」である為、積極的な医療の治療等の医療行為はできません。

※対象になるかどうか分からない場合は、入居希望の施設に問い合わせをしましょう！

入居優先順位の決定

• 【特養側】施設が入居の順番を決める。
  
  特養では届いた入居申込書の内容などから「入退去指針」というものを基に入居の順番を決めます。

ポイント★入居の優先順位は、入居申込順ではなく、入居指針の点数が高い順で決まります。

ご家族の状況や、介護できる人が近くにいるか、遠方に住まわれているか、その方の介護度やどういった医療行為が必要か等が点数に反映してきます。

※入退去指針は、入居希望している施設の所在地の自治体ごとにありますので、インターネットにて検索してください。

訪問調査と入居検討委員会

• 【入居希望者・特養側】入居対象者のところに特養の職員が訪問調査に行く。
  
  本人の病気や身体の状態、どのような介護が必要かなどを詳しく聞き取り調査し、調査票を作成する。

• 【特養側】調査票を基に施設内で「入居検討委員会」を開催する。

• 　検討委員会にて入居が正式に決定する。

　という流れになります。

訪問調査時のポイント

髙橋）訪問調査の時、家族はどのようなことに気をつけたらいいでしょうか？

大塚）訪問調査時には、職員がご家族の状況を確認をさせて頂きます。

ポイント ★家族が協力的に動いてくれるか
　　　　 ★施設の方針を理解してくれるか

例えば、入居後に通院が必要になった場合は同行ができるか、家族が遠方に住んでいても、必要な時は施設に来て対応ができるかなどを確認した際に、協力的に関われる意思をアピールすると施設側にすごく好印象です。

髙橋）そこが大切なんですね。

入居検討委員会のポイント

大塚）入居が正式に決定する「入居検討会議」のポイントは、以下の２点となります。

ポイント ★集団生活が可能なのか
　　　　 ★必要な介護が、現状の配置人員で提供が可能か

例えば、すでに入居している方の多くが「食事介助」を必要としていて、これ以上対応できない場合は、「食事介助」を必要とする人は入居が後回しになる可能性があります。

永井）入居を急いでいる場合は、複数の施設を申し込みした方がいいでしょうか。

大塚）施設によって入居者や職員の状況が異なるので、急いでいる場合は、複数の施設を申し込むことが有効です。

ポイント ★急いでいる場合は複数施設に申し込む

施設長からアドバイス

ここでひとつ気を付けるポイントは、「住まいの場」が変わるというのは、入居する本人からすると、介護に関わる人間が全て変わり、環境の変化が大きく、本人の負担になります。信頼関係や人間関係も一からの構築になります。そのため、「特養」→「特養」の転居はお勧めできません。
ですから、慎重に施設選びを行ってください。

まとめ

髙橋）特養の入居は“申込順”ではなく“入居の指針に沿っているか”また、“申し込みをした施設の状況がどうか”によって決まるということなのですね。

大塚）特養に入れないから、有料老人ホームと考えるのではなく、正しい知識をもって、ご自身の希望する施設・適切な施設を選択してください。

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