今回のテーマは、特別養護老人ホーム施設長からみた「特養と有料老人ホームの違い」です。

最新の特養事情からみた特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いを 特養の施設長大塚さんにお話しいただきました。

特養の待機者の実態

髙橋）特養は待機者が20万人ほどいると言われていますが、実際はどうでしょうか。

大塚）待機者が多いと言われますが、実際は違います。

他の施設に入居が決まったが辞退の届け出を提出していない方や、まだ入居を希望していないが、入居までに時間が掛かるので先に申込みをしている方なども待機者の数に含まれています。それに、申込み順で入居は決まりません。

早い方ですと、申込みから2週間ぐらいで入居が決まる場合があります。世間の認識と実態はギャップがあります。

特養、申し込み後にすぐに入れるケースがある！？

永井）申し込みをしてすぐに入れるケースもあるのですね！

大塚）あります！

永井）では、まずは申込みをすることが大事なのですね！

大塚）介護度が重い方や、ご家族が介護をするのが難しい環境の方などは、入居の順番が早く回ってくる場合があります。

髙橋）そういうことなのですね。

特養は設備や建物が古い！？

髙橋）特養というと建物が古いイメージがありますが、実際はいかがでしょうか？

大塚）特養は相部屋の施設が多いとか、設備が古いなどと言われておりますが、うちの特養は建物も綺麗で、全室個室になります。

全室個室の特養をユニット型と言われることがあります。

【ユニット型】
10人以下で「ユニット」という小さなグループをつくり、共有スペースとしてロビーやダイニング、キッチン、浴槽、トイレを設置している。共同生活を送る点が特徴です。

ユニット型と呼ばれる特養は「個別ケア」という一人一人の生活リズムに合わせたケアを心掛けております。近年では、綺麗な施設も多く、温泉施設や、敷地内に畑、ＢＢＱ場、ドッグラン、壁面緑化などなど、設備や見た目の良い施設が増え、特養のバリエーションも豊かになっています。

永井）最近の特養はすごいですね！見た目では特養なのか、有料老人ホームなのか区別がつかない施設が増えているのですね。さらに、ユニット型は「個別ケア」にも力を入れているので、有料老人ホームとケアの違いも感じないのですね。

「特養と有料老人ホームの違い」のポイント

髙橋）特養と有料老人ホームの何が違うのかをまとめました。

違いのポイントは入居可能者、費用、運営法人です。

特養は要介護3以上の方が入居可能、費用としては公的施設なので入居金は無く、月々が8～20万円、おむつ代は込みです。

有料老人ホームは、介護度は施設により異なります。営利法人が運営しているので、入居金がある施設もあり、月々の費用は特養より高く15～40万円、おむつ代などは別になります。 有料老人ホームの特徴は、オプションサービスが充実していることです。

永井）有料老人ホームのオプションサービスは、買い物やフラワーアレンジメントなどがあります。趣味活動により、より生活が豊かになるアクティビティを選ぶことができます。

結局、どちらが良いの！？

永井）特養は介護度3以上の方がメインになりますので、介護度が中重度の方の「暮らしの場」になります。それに対して、有料老人ホームは出せる費用との兼ね合い活動的に暮らしたい、趣味・嗜好にこだわりがある方に向いています。

大塚）特養だから、有料老人ホームだからで最近は図れません。

介護の質においても特養だから良くない、有料老人ホームだから良いとう違いはありません。費用面や、入居後の生活に何を望むかをポイントに選択することをお勧めします。

永井）それぞれの状況や状態に合わせて、どちらが合うか選んでいくのが良さそうですね。

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