今回のテーマは「要介護認定を受けている人が住民票を異動するときの注意点」です。

「賢約サポート」を全国に広める活動をされている元行政職員の藪内祐子さんにお話しいただきます。
介護をきっかけに子供と同居したり、施設に入所したりした場合、住民票を異動する必要があると思うのですが、その時の注意点は何かをお伝えします。

住民票を異動するときの注意点

要介護認定を受けている場合の手続き

藪内）住民票は転居した日から、原則14日以内に、役所への住所変更の届出が必要です。住民票を異動する際に気を付けていただきたいことが、住民票の異動日と、届出日の間が14日を超えるとその間のサービス費用が「全額自費」になってしまうことがあるということです。

髙橋）どうしてそんなことが起こるのでしょうか。

藪内）介護保険は国の決めた法律に基づいて、自治体が運営しています。

実施母体が自治体になるので、自治体により保険料が異なったり、認定基準が異なったりします。要介護認定も住民票に紐づいているので、要介護認定を受けている人が市区町村をまたいで住民票を異動するといったん要介護認定が切れることになります。

髙橋）市区町村をまたいで住民票を異動したら、転入先で再度介護認定の手続きをしなければいけないということになるのはそういう理由なのですね。

介護保険サービスを利用している場合

髙橋）介護保険サービスを利用している場合はどうなるのでしょうか。

藪内）住民票の異動により、前住地で受けていた要介護認定が転出時に切れてしまうと、転入先ですぐに介護サービスが利用できずに困ることになります。そのため、前住地での要介護認定を約6ヶ月間は引き継げることになっています。これにより、申請から結果までに約1ヶ月かかる要介護認定の通常手続きを経ることなく、転入先でもすぐにサービスを利用することができます。

髙橋）介護認定の有効期間は人によりに異なると思うのですが、残りの日数と関係なく今の介護認定を6ヶ月間引き継げるのですか？

藪内）はい！介護認定の有効期間が今月末で切れるという人も、まだ3年も残っているという人も、転入時から約6ヶ月間となります。

本来であれば、転入時にやらなければならないですが、要介護認定が6ヶ月間引き継がれるので、転入から6ヶ月後に要介護認定の更新をすればよくなります。

髙橋）それは助かりますね。前住地の要介護認定を引き継ぐために必要なことや、全額自費にならないための注意点を次回以降にてお伝えいただきます。

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