今回は、「要介護認定の申請」について分かりやすく藪内先生にお話しいただきます。

介護サービスの申請、初めの一歩！

藪内）親の日常生活で困りごとを感じたり、介護サービスが使えないかと思ったら、

まずは親が住んでいる役所に電話してみましょう！

髙橋）まずは電話がいいのですね！

藪内）はい！二度手間にならないためにも事前に電話で確認することが重要です！

相談する窓口が役所ではなく、「地域包括支援センター」という地域の高齢者の相談窓口になるケースがあります。また、手続きに必要な書類を事前に確認することもできます。

役所に電話するときの注意点、ポイント

髙橋）役所に電話をする際は、どこの窓口になりますか？

藪内）地域によって、担当課の名前が違うので、

代表番号に電話をして「介護認定の担当課につないでください」と伝えてください。

ここで大事なのが、介護の「認定申請」と伝えていただくことです。

髙橋）「認定」と伝えることがポイントなのですね！

藪内）担当課につながると、介護が必要な方との関係や、その方の状況、使いたい介護サービスなどを聞かれます。

髙橋）使いたい介護サービスを聞かれても、どんなサービスがあるかわかならないと思うのですが・・・

藪内）日常生活で困っていることを伝えてください。

例えば、

• 重たい物が持てなくて買い物が一人でできない
• 家のお風呂に一人で入れない
• 家の中でつまずくことが増えたので手すりをつけたい
• ちょっと認知症の疑いがあって火の始末が心配
• お友達と同じデイサービスに行きたい

など、具体的にお話しいただければ大丈夫です。

髙橋）使いたいサービスや身体の状況によって何が判断されるのですか？

藪内）使いたいサービスやお身体の状況に合わせて、介護保険サービスを利用する「要介護認定」が必要なのか、介護予防や生活支援を行う「総合事業」でまかなえるのか、役所の方が判断し、担当窓口を案内してくれます。

総合事業についてはまた次回以降にお話しいたします。

要介護認定の申請にあたり必要なもの

髙橋）「要介護認定」を申請する、となった場合は、何が必要でしょうか？

藪内）要介護認定が必要となった場合、「介護保険被保険者証」や「マイナンバー確認書類」などを持参しますが、主治医の情報や、委任状が必要な場合もありますので、電話の際に確認してください。

主治医の意見書とは？役割や準備のポイント

髙橋）主治医の情報とは何ですか？

藪内）介護されている方がかかっている病院・かかりつけ医の情報です。

要介護認定を受けるには「主治医の意見書」という書類が必要です。

これは、身体や精神の障害の原因となる病気やケガについて書かれたものです。主治医は普段からその人の身体や精神状態を把握しているので、この「意見書」が認定の審査にとって「公正な判定・審査の基礎的な資料」となります。

髙橋）親が、いくつかの病院に通っている場合は、意見書を誰に書いてもらえばいいですか？

藪内）複数の診療科にかかっている場合は、「なぜ介護が必要なのか」に基づく疾病（病気）で考えるといいです。

例えば、足が痛くて買い物に行けないなら整形外科の先生に、認知症で精神科にかかっているなら精神科の先生に、というように、介護が必要な状態を一番よく分かっている先生を選んでください。

髙橋）なるほど。「主治医意見書」は申請する人が用意しないといけないのですか？

藪内）それは自治体によって異なります。認定申請の際に「主治医意見書」を提出しなければならない自治体もあれば、認定申請書に記載された主治医の情報をもとに、自治体が主治医に意見書を求める場合もあります。

まとめ

髙橋）日常生活で困りごとを感じたら、まずは親が住んでいる役所に電話し、要介護認定の手続きが必要かどうか、必要な場合は、何を持参すればいいのかなど電話で確認することが大事ですね！

次回以降で、今回お話ができなかった「総合事業」や、「認定の調査や審査」についてお伝えします。

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