今回のテーマは「成年後見人の報酬の仕組み」です。

報酬がどうやって決まるかなど村山先生にお話しいただきます。

成年後見人の報酬の仕組み

成年後見人の報酬は誰が、いつ、どうやって払うのか？

成年後見人の報酬は誰が払うか

村山）まず、「だれが払うのか」について。

払う人は、ご本人です。
例えば、お父さんに後見人がついている場合の、お父さんをさします。裁判所の案内では、ご本人は「被後見人」と呼ばれており、その「被後見人」が支払うことになります。

髙橋）家族が払うのではなく、ご本人が支払うのですね。

成年後見人の報酬はいつ払うか

村山）はい、次に「いつ払うのか」について。後見人がついてから１年後の後払いです。

髙橋）毎月支払うのではないのですね！

村山）毎月払うと思っている方も多いようですが、1年分をまとめてになります。

後見人に就任すると、原則１年ごとに裁判所へ報告書を提出します。その報告書を提出すると、裁判所から報酬の「審判書」が送られてきて、その紙に書かれている金額が後見人の報酬となります。

髙橋）ちなみに、報酬以外の費用、例えば、ご本人のためにかかる病院代や交通費なども1年分、後見人が立て替えるのですか？

村山）いいえ、ご本人のためにかかる費用に関しては、その都度清算をします。ご本人のお金と後見人のお金をしっかりわけて正確な財産管理をするためです。

髙橋）そうですよね。立て替えしていたら後見人の負担が大きすぎますよね。

成年後見人の報酬はどうやって払うか

村山）最後に、「どうやって払うか」について。

後見人の報酬は家族から支払っていただくのではなく、後見人が預かっているご本人の通帳から、「審判書」に書かれている金額を引き出して、報酬を受け取ります。

成年後見人の報酬の決め方、相場

髙橋）報酬の金額はどうやって決めるのでしょうか？

村山）報酬の金額は裁判官が決定します。

報酬の目安は、1ヶ月2万円程度からが目安にはなっていますが、財産の種類や金額によって変わります。

管理財産額が1,000 万円を超え5,000万円以下の場合は月額3万円～4万円。管理財産額が5,000万円を超える場合は月額5万円～6万円とされています。

詳しくは、下記裁判所の資料をご覧ください。

〔参考〕 成年後見人等の報酬額について

髙橋）後見人が報酬の金額を決めるわけではなく、裁判官が決めるのですね！

成年後見人の報酬の仕組み「報酬額の変動」

村山）私自身、10年以上後見人をやらせていただいている方が複数いますが、毎年同じ金額になるとは限りません。

髙橋）毎年金額が違うのですか？

村山）たとえば、自宅を売却して施設に入居した年は、その作業分がプラスされて報酬額が多くなったりします。その年の作業量により金額が変動することがあります。

髙橋）なるほど。成年後見人の報酬の仕組みがよくわかりました。

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