今回のテーマは「成年後見人に家族がなれる？なれない？」です。

裁判所の統計データなどを交えながら、司法書士 村山先生にお話ししていただきます。

家族は成年後見人になれない？

髙橋）家族は成年後見人になれるのですか？ほとんどなれないという話を聞いたことがあるのですが。

村山）おそらく、こちらのデータをご覧になって、そのように思われているのかもしれません。しかし、最近は候補者のいないおひとりさまの申し立てが多くなっており、おひとりさまの場合は専門家が（成年）後見人になるので、全体でみると、家族が（成年）後見人になる割合が19.8％と低くみえます。
家族が（成年）後見人に立候補した場合は、８割程度選ばれています。

髙橋）8割は選ばれているのですね。

成年後見人に家族がなるには

成年後見人に家族が選ばれる判断基準とは

髙橋）家族が選ばれる判断基準は何ですか？

村山）一つは預貯金の額です。
　本人（認知症、知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が十分でない方 ）の預貯金の額が1000万円より少ないようであれば、家族が（成年）後見人に選ばれることが多いです（東京家庭裁判所の場合）。

髙橋）そうなんですね。本人の預貯金の額が多いと選ばれにくいのですね。
他にはどんなケースがありますか？

村山）預貯金の額が多いケース以外で、家族が選ばれにくい代表的なパターンとしては

1. 立候補した人と本人の関係が疎遠
2. 他の家族が”立候補した人が（成年）後見人になる”ことを反対している
3. 立候補した人が管理していた通帳に使途不明金がある

このような場合は、裁判官が、家族ではなく専門家を（成年）後見人にしたほうがいい、と判断することがあります。

このほかにも、親族が選ばれにくいパターンが裁判所のHPに掲載されているので、参考にしてください。

髙橋）気になる方はこちらのＵＲＬをご覧ください。

▽よくある質問　東京家庭裁判所後見センター
https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/kokensite/yokuarushitsumon/answer.html

成年後見人は家族の誰でもなれる？

髙橋）ところで、（成年）後見人は、家族のだれでもなれるのですか？

村山） 未成年者や破産者、行方不明者などは、（成年）後見人になれないことが法律で決められています（民法８４７条）。

それ以外は、資格や血のつながりが必要というわけではありません。

成年後見人に選ばれるには

髙橋）家族が（成年）後見人に選ばれるために、何か注意することはありますか？

村山）家族が立候補した場合は、原則、裁判所での面接があります。

その際に「この人なら財産管理をまかせても大丈夫！」と思ってもらえるような事前準備をすることでしょうか。

髙橋）事前準備とは何ですか？

村山）たとえば、お金や不動産などの管理についてすぐ答えられるようにしておく、（成年）後見人の役割について理解しておくなどです。

髙橋）なんだかコツが必要そうですね。

村山）はい、自分が（成年）後見人になれるのかどうか気になる方は成年後見制度に詳しい専門家に相談してください。面接のコツなども聞けます。

まとめ

髙橋）家族は（成年）後見人になれないとあきらめないで、専門家に相談してみましょう。

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