今回は、「50代、60代で介護が必要になった時に知っておきたい知識」です。

藪内先生にお話しいただきます。

医療費・税金の軽減方法

髙橋）最近、私の周りで50代、60代で認知症になったり、脳梗塞などで倒れたりする方がいらっしゃいます。今後の生活を考えたときに家族が一番不安になるのはお金のことだと思いますが、医療費や税金を抑える方法は何かありますか？

藪内）50代、60代で認知症を発症した場合や、脳梗塞で後遺症がある場合などは「障害者手帳」の申請ができます。
障害者手帳を取得できると、税金の「障害者控除」が申告できたり、障害者の医療助成が受けられたり、公共交通料金等の割引が受けられたりします。

髙橋）「障害者手帳」により控除が受けられるのは助かりますが、病院に通ったりと医療費もすごくかかってくると思います。70歳以下の場合、医療費が3割負担なので、かなり負担は大きいですよね…

後期高齢者医療保険

藪内）一定の障害があると認定された65歳以上の方は、「後期高齢者医療保険」に加入することができます。それにより、3割負担が1割負担になったりと負担割合が軽減されます。

髙橋）「後期高齢者医療保険」は、75歳以上の方が加入できる保険だと思っていたのですが、75歳未満の方でも加入できるんですね！

一定の障害とはどういうことですか？

藪内）一定の障害とは、

• 障害年金等級1級または2級の方
• 身体障害者手帳：1級～3級の方。または4級のうち、音声機能または言語機能の障害のある方や両下肢のすべての指を欠く方、一下肢を下腿（かたい）の2分の1以上で欠く方、一下肢の機能の著しい障害を持つ方
• 療育手帳が重度のAの方
• 精神障害者保健福祉手帳1級または2級の方

です。

該当する場合は、「後期高齢者医療保険制度」の被保険者としての認定が受けられます。

詳しくはこちらをご覧ください。
・精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について　＞

加入申請についての注意点

髙橋）加入の申請をする際に何か注意することはありますか？

藪内）被保険者としての認定を受けた日から「後期高齢者医療保険」に加入することになりますので、50代、60代で認知症や脳梗塞の後遺症などで一定の障害に該当される場合は、65歳になった時に速やかに加入手続きを取るようにしてください。

髙橋）負担割合は所得により違いますか？

藪内）「後期高齢者医療保険」は、自己負担割合が所得に応じて1割～3割です。所得が一定以下であれば1割負担になります。75歳を待たずして、3割負担が1割負担になれば、医療費の負担が楽になると思います。

髙橋）社会保険や国民健康保険は原則3割負担なので、1割になるのは大きいですね！「後期高齢者医療保険」に加入した場合の負担割合は、役所に確認したら教えてくれますか？

藪内）はい。65歳から74歳の方で、国民健康保険から後期高齢者医療保険に移行したら負担割合が下がるかどうかは、お住まいの後期高齢者医療保険担当課に事前に確認することをお勧めします。

まとめ

髙橋）50代、60代で認知症を発症した場合や、脳梗塞で後遺症がある場合は、「障害者手帳」の申請をすることにより、税金の控除が受けられたりするなど、「後期高齢者医療保険」に加入することでメリットがあることがわかりました。

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