老人ホーム探しは誰に相談すればいい？相談先ごとのメリット・デメリットを解説

老人ホームには様々な種類があり、しかも施設ごとに特色や料金も異なっています。その中から一つの入所先を独断で決めるというのは難しく、なかなか進展させることができないという方も多いのではないでしょうか。

老人ホーム探しをする際は、まず希望条件の整理など事前準備を行うことが大切です。この記事では、相談前に整理するべきポイントを解説した上で、どういった機関やサービスに相談を持ち掛けるべきなのかをご紹介します。

老人ホーム探しの相談にあたっての事前準備

老人ホーム探しをするにあたっては、相談する前に介護施設の種類を知るなどの事前準備を行うことがおすすめです。その情報を基にしながら希望する条件を整理し、スムーズに相談を進めるための下準備をしておきましょう。

希望する条件の整理

介護施設には様々な種類があります。自立しているかどうか、要介護な状態であるかどうかなどにより、受け入れが可能な施設の種類が変わりますので、まずは自分自身や入所する方の体の状態を再確認することが重要です。

医療ケアや介護の必要性に加えて、希望する入居期間は一時的なのか終身なのかといった基本に立ち返り、条件を整理しましょう。たとえば有料老人ホームに限ったとしても、施設によって特色が異なりますので、サービスでこだわるポイントを決めることも意識します。

また、予算を決めることも大切です。介護施設では入居金に加えて、毎月支出する月額費用がかかりますので、無理のない金額に収めることも大切です。そして入居時期などの希望を叶えられるかどうかについても確認しておきましょう。

介護施設の主な種類

介護施設にはいくつかの種類があります。それぞれの特徴について表でまとめてみましたので、どの施設を優先して選ぶべきか悩んだ際の参考になさってください。

住まいの分類	対象者	入居一時金	月額費用の目安	自立	要支援	要介護	終身
特別養護老人ホーム	65歳以上 (要介護3～)	なし	6万円～15万円	×	×	要介護3以上	〇
介護老人保健施設	65歳以上 (要介護1～)	なし	8万円～17万円	×	×	〇	×
グループホーム	要支援2以上・ 認知症と診断された方	数十万円台が多い	15万円～20万円	×	要支援2以上	〇	△
ケアハウス	60歳以上 の自立	0円～数百万円	10万円～20万円	〇	△	△	△
介護付有料老人ホーム	65歳以上 (要支援～要介護)	0円～数千万円	13万円～40万円	△	△	〇	〇
サービス付き高齢者向け住宅	自立 (要支援・要介護)	敷金2～3か月分	10万円～30万円	〇	△	△	〇

このように、予算から終身利用の可否まで多くの違いが見受けられます。どんな種類の施設を選ぶかを事前に絞ることが重要なのはこのためです。

ここでご紹介している費用はあくまでも目安であり、民間施設の中にも入居一時金を取る施設と、取らない施設で分かれています。
サービスの内容そのものは最重要視するべきですが、現実的に入所が可能な施設なのかどうかを調べ、事前に確認しておくことも重要なポイントです。

老人ホームに関する情報収集

入所を考えている地域にある老人ホームの情報を収集することも、スムーズに相談を行う上で重要な要素になります。資料やパンフレットを取り寄せたり、インターネットでホームページを見たり、評判を調べたりしておきましょう。

こういった方法で得た情報を整理して、疑問に感じる部分や、分からない所を整理してまとめておきます。そうすれば相談をしたときに質問する項目を絞り込むことができますし、重要な項目を聞き忘れることもありません。

老人ホーム探しの相談先

必要な情報の事前収集が完了したら、いよいよ老人ホームに関する相談を行います。相談先として有力なのは、これからご紹介する5件です。独断で決定するのではなく、第三者の意見も取り入れて、より快適に過ごせる介護施設を見つけましょう。

地域包括支援センターや自治体の福祉課などの公的機関

地域包括支援センターは、人口1.5～3万人圏内につき1ヶ所以上の設置が義務付けられている公的機関です。ここでは、介護や医療、福祉に関する全般的な相談を行うことができる上、地域の施設に関する情報にも精通しています。

地域包括支援センターが近くにないという場合には、自治体の福祉課に足を運んで相談してみましょう。利害関係のない公的機関からの情報は非常に有力ですので、トラブルを起こす心配のない優良な介護施設を見つけることができます。

民間の紹介センター

地域包括支援センターのような公的機関の場合、紹介できる介護施設が少なく、希望する種類の施設を見つけられない場合があります。そのような状況で役立つのが、幅広い情報網を持った民間の紹介サービスです。

民間サービスではありますが、紹介料は介護施設から徴収しているため、老人ホームに入る人や入ろうとしている人がお金を取られることはありません。経験豊富な担当者が在籍している相談所であれば、有益な情報を気軽に入手することができます。

ケアマネジャー

現在、ご自身やご家族が介護を受けている状態であるのならば、担当するケアマネジャーに相談することもおすすめです。ケアマネジャーは介護に関する知識のみならず、介護施設の情報も持ち合わせていますので、雑談の延長線上のような形で相談ができます。

担当するケアマネジャーであれば、介護施設への入所を希望している人の健康状態や性格を熟知しています。プロが見て「相性が良い」と判断した施設の紹介を受けることができますので、信頼しているケアマネジャーがいる場合は最優先で相談しましょう。

インターネット

インターネットでは、介護施設のホームページなどから在籍している職員の数や質、設備の内容、料金などの情報を集めることができます。特徴が見やすくまとめられていますので、ネットの情報を参考にしながら施設選びを行うこともおすすめです。

ネットならではの特徴は、気軽に多くの施設をチェックできるという点になります。誇張した情報を掲載する広告には注意が必要ですが、職員の性格や施設内の雰囲気など、気になる情報が手に入る可能性があることもメリットです。

知人の紹介

理想的な相談相手となるのが「知人」です。ネット上の情報には嘘が紛れていたり、上方が古かったりすることがありますが、知人を頼ればそのような心配がありません。気になっている介護施設の内部事情について、詳しく教えてもらうことができるでしょう。

また、一般からの入所が難しい介護施設にも、入所者からの紹介という形で優遇され、入所しやすくなる可能性もあります。介護施設を利用している知人や友人、親族がいる場合は、その人物に頼って相談を持ち掛けることもおすすめです。

まとめ

残りの生涯を過ごすことになるかもしれない老人ホーム選びには慎重にならなければなりません。どんなに細かな疑問だとしてもそのままにせず、きちんと相談を行いましょう。相談を受ける前には、必要最低限の情報を収集し、何を望むのか整理することが大切です。

相談先としては地域包括支援センター、民間の紹介センター、ケアマネジャー、インターネット、そして知人を挙げることができます。身の回りの人物だけでは有益な情報が得られないというときには、無料で活用できる民間の相談サービスも利用しましょう。