在宅看護での入浴 ポイントと注意点とは？

高齢者の入浴リスク

生まれた場所によっては、若い頃は雪の降る中、石畳を歩いて温泉に飛び込んだという高齢者の方もいることでしょう。ですが、年齢を重ねると温度差が体にとって大きなリスクとなるので気をつけたいところです。
また入浴の際には血圧の上昇・低下に気を付ける必要があります。
入浴を行うと、体の血管が開いて血圧が低下します。逆に風呂から上がると急激に血管が収縮するので血圧が急激に上がるのです。
どちらも高齢者の体には負担が大きく、低血圧の時には虚血性の疾患や意識障害などのリスクを招きます。反対に高血圧の時には脳梗塞や心筋梗塞などのリスクを高めるのです。
また長時間入浴したり、お酒を飲んだ状態で入浴したりすると意識障害を伴いやすいので避ける必要があります。

高齢者の入浴を介助する際のポイント

高齢者の入浴を介助する際の最優先すべきことは、事故を防止することです。次に重要なのはプライバシーや本人の気持ちに配慮することです。
入浴のリスクは前述したように温度差や健康を管理することによって、リスクを軽減することができます。
入浴前にコップ一杯の水分を補給すること、血圧が高すぎる場合や低すぎる場合は入浴を控えることを徹底していくことをオススメします。

たとえ健康面に問題がなかったとしても本人が拒否するような場合は、よほど衛生面で問題がなければ様子を見るようにした方が良いです。
できるだけゆっくりと話をして入浴したいと思ってもらうことが重要です。

介護サービスを利用する

入浴介助は病院や介護施設でも非常に重労働だと認識されている介助の一つです。
設備の整っていない在宅での入浴は、転倒のリスクが高まります。また突発的な事故が生じた際、十分な対応もできない可能性が高いです。
そういった状況であれば介護保険でデイサービスセンターや訪問入浴介護など入浴サービスを利用するのもオススメします。
入浴前には看護師の健康チェックがありますし、入浴の際には介護職員がついてくれますので安心して入浴介助を行えます。

入浴の介助は介護する方・介護される方、お互いの気持ちが大切です。
在宅で無理に入浴してお互いに辛い思いをしてしまっては、せっかくの入浴が無駄になってしまいます。
在宅で心地よい入浴を行うためには、適切な住宅改修を行って介護負担の軽減を行うことをオススメします。また介護サービスを併用しながら安全で負担の少ない入浴を目指してみてはいかがでしょうか。