今回のテーマは「誤嚥」です。

原因と予防について「わたしの看護師さん」の神戸さんにお話しいただきます。

誤嚥(ごえん)、誤嚥性肺炎とは

神戸）誤嚥とは、飲み込んだ食べ物や飲み物が、食道ではなく気道に入ることをいいます。

ご飯を食べていて「変なところに入った！」ってむせることはないですか？

髙橋）この間、きな粉餅を食べていたら、むせちゃいました。

神戸）それです！健康な人は喉に物が詰まった時に咳払いをすることで、気道に入った食べ物を外に出すことができます。ですが、高齢の人や病気で喉の筋力が落ちてしまうと、気道に入った食べ物を外に出すことができなくなります。それが原因で誤嚥性肺炎や窒息して死に至ることがあります。

今からできる誤嚥の予防方法

髙橋）「誤嚥」を予防する方法はありますか？

神戸）元気なうちは、喉の筋力体操などを行ってください。有名なのが「パタカラ体操」です。概要欄に参考資料を貼っておくので、試してください。　　　

「パタカラ体操」 公益社団法人 日本歯科医師会
➤https://kayoinoba.mhlw.go.jp/article/013/pdf/kuchi_taisou.pdf

誤嚥させないための予防法3つ

髙橋）すでに喉の筋力が低下している方が「誤嚥」しないようにするにはどうしたらいいですか？

神戸）「誤嚥」させないための予防法は３つあります。

予防法1

神戸）1つ目は、誤嚥しやすい食材を食べないこと

• 「パサパサして喉に詰まりやすい」粉物や、パン、ゆで卵の黄身
• 「ねっとりして水分が少ない野菜」カボチャ、イモ類
• 「ぐにゃぐにゃして噛み切るのが難しい」　餅、イカ、コンニャク
• 「ベタっと喉にへばりつきやすい」海苔　最中の皮など　です。

髙橋）なんだか、食べられる物がなくなりそうですね…

神戸）大丈夫です。とろみをつけたり、ゼリー状にしたりするなどの工夫をすることで安全に食べられます。

予防法2

神戸）2つ目は、食事する姿勢を整える

よくあるのが、親の体調を気遣って、寝かせたまま食べさせたり、飲ませたりすることです。これはダメです！

髙橋）どうしてですか？

神戸）寝かせたまま食事をすると、食べ物が気道に入る確率が高くなり、誤嚥につながります。

椅子に座ることができれば椅子に座って食べてもらい、

ベッドの上で食事をする場合は、背もたれの角度をつけるなど、体を起こした状態にし、さらに頭に枕を当てて、前かがみになるような姿勢をつくりましょう。

髙橋）寝たままの食事は危険なのですね！

神戸）そうです。

予防法3

神戸）3つ目、口に入れる食事量とスピードを調整する

体調が悪かったり、薬の副作用で意識が朦朧としていたりする時の食事は要注意です！

食べる人の飲み込むスピードに合わせて、少しずつ食べさせてください。

髙橋）食べさせたい！という思いから、口の中いっぱいに物を入れたり、スプーン山盛りにしたりして食べさせたくなるけど、そこはグッと辛抱ですね。

神戸）そうしてください。

まとめ

神戸）よかれと思ってやっていることが、誤嚥につながってしまうケースがあります。喉からゴロゴロと痰が絡むような音がし始めたり、鼻水や涙を出しながら食事をしたりするようなことがあれば、誤嚥になりかけているかもしれません。そういう時は医師に相談してください。体調が悪い際のお食事は十分に気を付けてください。

髙橋）誤嚥を防ぐには姿勢や、食事選びが大事ですね。

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