今回のテーマは「終活」です。

髙橋）「終活」とは人生の終焉へ向けた活動、最近では人生の最期を迎えるために、ものや財産の整理だけではなく、自分らしくどのように生きるかを考える事とも言われています。

永井）具体的に行うこととして

髙橋）忘れられがちなのが、「④の介護の準備」です。

髙橋）介護の準備を考える時に、皆様も思いつくのが、「どこで介護を受けたいか」です。

永井）可能な限り自宅で介護を受けたいのか？ それとも老人ホームや介護施設などに住み替えて介護を受けたいのか？ ある調査データでは、約73％の方が「自宅での介護」を希望しています。

髙橋）２つ目は誰に介護をしてもらいたいかです。

永井）男性の場合は、配偶者と答えた方が約半数。一方女性では、ヘルパーなど介護サービスの人と答えた方がが約4割という調査データがあります。

髙橋）介護になった時に「どうしたいか」を家族で共有しておくことも大事ですが、自分らしく生き続ける上で最も大事なのが、「自分の事を伝えておく」ことです。

永井）介護は誰かの手を借りて生活することです。自分の生活リズムや趣味嗜好を、子供に知っておいてもらうことが、とても大切になります。

髙橋）私が母の介護の上で一番役にたったのが、母親の趣味、思考を知っていた事です。その経験を活かして親の何を知っておくことが大切なのか、また子供に迷惑をかけないために何を伝えていくことが必要なのか、ということをまとめたのが、「親ブック」です。

髙橋）日常生活から薬の事や食事の好み、自分の昔話や思い出の場所のこと、趣味や嗜好、自分のことを様々な角度から、まるっとまるごと書けるのが、この「親ブック」です。

永井）うちの利用者さんで夕方になると、どうしても落ち着かない認知症の方がいらして、「何でなんだろう？」と思い、ご家族に生活リズムを確認したところ、その時間帯はいつも夕食を作っていたという事がわかりました。日常の過ごし方がわかると、その方に合った「声かけ」ができるので、スムーズなケアに繋がって、利用者さんと気持ちの良い関係を築くことにも繋がります。

髙橋）うちの母も夜中にトイレに行く習慣があって、脳梗塞で入院している時に夜中にベッドから出て行こうとして、それを徘徊と間違えられて、認知症と判断されるところでした。

永井）些細な事なんですが、その方が今までどのような日常生活を過ごしてきたかに「ケアのヒント」がいっぱい詰まっています。日常生活のことや趣味嗜好、昔話や思い出の場所といったことを介護になる前に伝えることが大切です。

髙橋）いざ聞こうと思った時に聞けなかったり、話せない状態ということもあります。

永井）認知症を患ってしまうと伝えたいことが、伝わらなくなってしまうことがあります。

髙橋）介護になった時に自分らしい生活を過ごす。少しでも楽しさをプラスした介護生活を送るためにも、自分のことを伝え、親のことを知っておくことが大切です。

永井）そして私たち介護の専門家に、その情報を伝えてください。

～ ゆるっとかいご　説明 ～

介護する家族を応援する介護情報チャンネルです。介護にかかる費用や、介護施設、認知症、相続のことなどを、はじめての方にも分かりやすくお伝えします！