【プロが教える】老人ホームとデイサービスの違い！（サービス内容など）

介護に関連するサービスには「老人ホーム」と「デイサービス」があります。どちらも福祉に深く関与するものという共通点がありますが、この二つのサービス内容がどのように違うのか、詳しく理解することは難しいものです。

この記事では、老人ホームとデイサービスがどう違うのかを詳しくご紹介します。それぞれを利用するのに向いているのはどんな人なのか、そしてこの二つを併用することは可能なのかどうか、分かりやすく解説していきましょう。

老人ホームとデイサービスの違い

さっそく、老人ホームとデイサービスにはどのような違いがあるのかを見てみましょう。それぞれの項目別に分けて詳しくご紹介します。それぞれのサービスはどんな人が使うのかを具体的に知り、利用するサービスの種類を選ぶことが大切です。

老人ホームとは

老人ホームは、ホーム＝家という名前が示している通り、住まいとして利用することのできる施設です。住居があり、食事が提供され、その施設に職員として勤めている看護師や介護士の助けを借りながら生活を送ることができます。

四季を意識したイベントやレクリエーションが行われることも特徴で、入居者とコミュニケーションを取りながら暮らすことが可能です。自宅、あるいは単身では経験できない楽しみを得られますので、入居者や職員との相性の良い施設を選べば、寂しさを感じることもないでしょう。

老人ホームには様々な種類があり、要介護や要支援の度合いによって入居できる施設は変わります。要介護3以上の方を専門的に受け入れている「特別養護老人ホーム」など、高度な看護を24時間体制で受けられる施設があることも特徴です。

老人ホームを利用するのはこんな人

老人ホームは、「要介護」「要支援」といった認定を受けた方が利用することを前提に作られています。そのため、自立した生活を送ることが困難な方が利用することが多く、高度な介護や医療行為を必要とする方が利用者の中心です。

近年では老々介護などの問題も取りざたされていますが、家族間では介護が難しいという状況に置かれている方も老人ホームを利用します。寝たきりの方や、付きっ切りの介護が必要であるという場合は、老人ホームを選択すると良いでしょう。

デイサービスとは

デイサービスは、施設まで足を運ぶことで介護を受けられるサービスです。老人ホームのように、介護施設で寝泊まりをすることはありません。あくまでも日帰りで利用する介護という点がデイサービスの特徴です。

生活の拠点はこれまで通り自宅となります。施設までの送迎はスタッフが車で行うことが多く、少し遠方な施設だとしても気軽に利用できることもメリットといえるでしょう。

施設ではリハビリを行えるほか、食事や入浴などの支援を受けることが可能です。家族だけでは行き届かせることができない範囲の介護を受けることができます。家族にとっても、介護から離れた時間を作れという点もメリットでしょう。

デイサービスを利用するのはこんな人

デイサービスは、ある程度自立した状態の方が利用することが普通です。自宅から施設までの移動を伴いますので、寝たきりや高度な介護が必要な状態の方にとっては利用することが困難で、満足にサービスを受けることができません。

家族との同居を続けたい方にとっても、デイサービスは最良の選択肢と言えるでしょう。介護される側が家族に気を使うことがなくなりますし、介護する側のストレスも減少します。無理なく同居を続けるための選択肢として、デイサービスを活用する方は多いのです。

老人ホームとデイサービスは併用可能？

介護を受ける方の中には、老人ホームで暮らしながらデイサービスを利用したいという希望をお持ちの方もいるかもしれません。老人ホームとデイサービスが利用できるかどうかは、施設の種類に応じて異なります。いくつかの施設を例に、併用の可否を見てみましょう。

住宅型有料老人ホーム：併用可能

自立した方が利用することの多い住宅型有料老人ホームでは、デイサービスを併用することが可能です。バリアフリーが整ったホームで自立した生活を送ることが基本ですので、デイサービスをはじめとする介護サービスを受けることが禁止されません。

サービス付き高齢者向け住宅：利用可能

バリアフリー化された賃貸住宅がサービス付き高齢者向け住宅です。介護を受けられる住宅もありますが、原則として自立した方が利用する施設になります。そのため、デイサービスなどの外部サービスを利用することもできます。

介護付き有料老人ホーム：利用不可

要介護などの認定を受けた方だけが利用できる老人ホームです。ここでは、食事をはじめとする生活支援から、入浴・排せつなど介護全般のサービスを受けられます。デイサービスで受ける内容が含まれており、併用は不可能です。

グループホーム：利用不可

主に認知症を患っている方が揃い、施設内で共同生活を送ることになります。こちらも食事や入浴、排せつなどの介護のほか、リハビリの支援を受けることも可能です。こちらもデイサービスの内容がはじめから含まれていますので、併用ができません。

健康型有料老人ホーム：利用不可

食事などの生活支援を受けられる点は一般の老人ホームと変わりませんが、原則として健康で自立した方だけを対象にした施設です。介護を受けている方は利用できないという前提がありますので、デイサービスを併用することは不可能です。

デイサービスを併設した老人ホームもあり

先ほどデイサービスとの併用が可能とお伝えした「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」には、デイサービスを併設した施設も存在します。老人ホーム入居後にサービスの併用を希望するなら、こういったホームを選ぶと良いでしょう。

併設型の老人ホームなら、老人ホームのスタッフとデイサービスのスタッフが連絡を密に取り合うことができます。入居者の最新の健康状態を把握しやすいため、快適で正確なケアを受けられることがメリットです。

また、デイサービスを受けるために施設間を行き来する必要がありません。車を使った移動も疲れやストレスが溜まりますが、併設型なら同じ施設内を行き来するだけでケアを受けられます。雨天など、悪天候な日も気兼ねなくケアを受けることができるでしょう。

一方でデメリットとなるのが、併設型の老人ホームの場合、ホームとデイサービスの両方を利用するように求められることが多い点です。入居中にデイサービスを利用するつもりがなくなったとしても、契約を途中で打ち切れなくなる可能性があります。

（関連リンク）デイサービスを併設した老人ホームはこちら

まとめ

老人ホームは生活をしながらケアを受けられる施設であり、一方のデイサービスは自宅を拠点にしたまま施設へケアを受けに行けるというサービスです。介護が必要な人が利用するのが老人ホームで、自立している方が利用するのがデイサービスになります。

一部の老人ホームでは、デイサービスを併用して介護を受けることも可能です。最近ではデイサービスを併設した住宅型有料老人ホームやサ高住もあります。併用を希望するのであれば、はじめから併設型老人ホームを選ぶと良いでしょう。