今回のテーマは「混合介護」についてです。

髙橋）この言葉、聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、3年くらい前に結構ニュースなどで話題になっていました。

永井）この「混合介護」というのは、介護する家族にとって、かなり助かることなのですが、仕組みが複雑すぎてあまり利用されていないのが現状です。

髙橋）ただ、家族が知っておくと便利なサービスなので、今回は、「混合介護の仕組みと使い方」についてお伝えします。

混合介護とは

髙橋）混合介護というのは、介護の費用の一部を負担する「介護保険内サービス」と、全額自己負担の「介護保険外サービス」を連続して利用することです。

混合介護の仕組み

永井）「介護保険内サービス」は、食事や、入浴、排せつなどの「身体介護」や、介護が必要な方の買い物・掃除・洗濯などの「生活援助」です。

一方、「介護保険外サービス」は、同居家族の調理、洗濯、買い物、ペットの世話や、趣味や娯楽のための付き添いなどです。

これらのサービスを家で受ける場合と、施設で受ける場合があります。

混合介護の使い方

永井）それぞれの事例をこちらで紹介します 。

髙橋）まず、自宅で受ける場合の事例、初めに洗濯、この洗濯物が介護される方の物であれば「介護保険内のサービス」になります。
その後、ついでに草むしりを行った場合、こちらは介護されている方の場所だけではないので「保険外サービス」になります。

永井）他にも、仏壇のお花の水替えをお願いした場合も「保険外サービス」になります！

髙橋）その後、介護される方のお食事を作った場合は「保険内サービス」になります。

永井）家族の分の食事は「保険外サービス」になるので一緒に作れません。

髙橋）一緒に暮らしているご家族も利用する客間の掃除は「保険外サービス」になります。

永井）この60分のサービスを受け、費用は1,500円ぐらいになります。 保険外のサービスを受けると、少し割高になりますが、同居している家族の分もお願いできるというのは助かりますよね。

髙橋）よく保険外サービスとして使われるのは、ペットのお世話や、病院の付き添いです。

髙橋）続いてデイサービスやデイケアなど、施設に通っている間にも「保険内サービス」と「保険外サービス」を混合して利用することができます。

永井）例えば、デイサービスに通っている間に、「保険外サービス」の美容師さんに来てもらい髪を切ったり、またデイサービスの利用時間が終わった後に、「保険外サービス」を利用して、そのままそのデイサービスにお泊りすることができます。 この事例の場合、一日でだいたい7,600円になります。

髙橋）馴染みのスタッフに馴染みの場所に泊まれるのは、すごく家族としても安心ですよね。

永井）お泊りサービスは「保険外サービス」の利用としてよく使われます。

混合介護の課題

髙橋）混合介護は事例のように、「保険内サービス」と「保険外サービス」を連続して利用することはできるのですが、同居家族の食事を同時に作るなど、同時一体の利用はできません。

永井）この辺りがややこしいです。

髙橋） 混合介護の課題を解決するために、2017年豊島区が混合介護のモデル事業をスタートしました。その資料の説明がとてもわかりやすいです。

参考：［豊島区 訪問介護の保険外サービス活用ガイド］

永井）豊島区の動きもあり、国の規制緩和が進んでいるようですが、介護される方の食事と同居家族の食事を同時に調理するといった同時一体的に提供することが認められると、より使いがってが良くなると思います。

まとめ

髙橋）規制緩和も進んで欲しいですが、最近では介護事業者だけではなく、自治体や民間が提供する「保険外サービス」が増えています。

永井）介護される方とその家族が安心して暮らし続けることができるように「介護保険内サービス」と「介護保険外サービス」を上手に活用してください。

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