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9:34
今回は「遠距離介護 4つのデメリットをどう乗り越えるか」です。
遠距離介護を続けている介護作家の工藤広伸さんにお話しいただきます。
工藤:私は東京と岩手の遠距離介護を13年間続けています。今日は遠距離介護の「4つのデメリット」と、その乗り越え方をお話しします。
高橋:早速ですが、1つ目のデメリットを教えてください。
工藤:デメリット①「親が近くにいないので、常に不安になる」です。
高橋:遠距離介護だと、親の様子が見えませんよね。
ごはん食べているかな、薬飲んでいるかな…。と不安になりますよね。
工藤:そうなんです。帰省して東京に戻るときも、不安でした。
高橋:その不安、どうやって乗り越えたんですか?
工藤:見守りカメラを設置しました。
“見えない不安”を、“見える安心”に変えました。
高橋:でも、見守りカメラは、「監視されているみたいでイヤだわ」と言われませんでしたか?
工藤:少し嫌がっていました。でも「もし病気やケガがあったとき、すぐ助けられる」と説明して、理解してもらいました。
高橋: なるほど、でも、なかなか納得してくれない親御さんも、いますよね。
工藤:そういう場合は、人感センサーから始めるのも一つです。
センサーは通知だけで、映像はありません。
例えばトイレのドアに設置して、動きがあれば子どものスマホに通知が届く。
それだけでも、遠距離介護の不安は減ります。
高橋:映像がないなら、プライバシーに配慮していますよね。
工藤:そうですね。
抵抗感がなくなってきたら見守りカメラを玄関や屋外など、少し離れた場所から始めてみるといいと思います。
いきなり全部ではなく、“小さく始める”のがコツです。
高橋:見守りカメラを付けていて良かった!と感じた出来事はありますか?
工藤:あります。
実家に訪問買取業者が突然入ってきたことがありました。見守りカメラで異変に気づいて、すぐ電話で対応できました。
高橋:それはすごいですね!
工藤:はい、助かりました!その出来事があって、母も「役に立つね」と言ってくれました。
遠距離介護は、不安をゼロにすることはできません。でも、不安を減らすことはできます。
高橋:2つ目のデメリットを教えてください。
工藤:デメリット②「親に何かあったときに、すぐに駆け付けられない」です。
高橋:これは遠距離介護の大きな不安かもしれませんね。
何かあったらどうしようかな、と。
工藤:実際にありました。
夜7時、母がトイレの前で突然倒れたんです。
私は東京。盛岡の実家まで3時間。すぐには行けません。
高橋:それは焦りますよね…。
工藤:正直、焦りました。
でも「自分が駆けつけられない前提」で準備していました。
髙橋:どんな準備をされていたのですか?
工藤:いつでも駆け付けられるように、24時間の訪問看護を契約しています。
連絡したら30分で母親の元に駆け付けてくれて、診てもらえました。
髙橋:30分で来てもらえたんですね。
工藤:はい。
それに、見守りカメラがあったので、看護師さんが来るまで「もうすぐ来るよ」と声をかけ続け、母を安心させることができましたし、助かりました。
母は重度の認知症で説明が難しかったので、東京にいる私がカメラ越しに看護師さんとやりとりをしたところ、「見守りカメラって、便利ですね」と言っていました。
髙橋:見守りカメラは、そういう時にも使えるのですね!それは確かに便利です!
遠距離介護は、「駆けつけられないこと」を前提に考えることが大事なのかもしれませんね。
参考になったと思った方は、その気持ちの代わりに「いいね!」ボタンをポチッと押していただけると嬉しいです。
工藤: 皆さんの「いいね」が、この情報を必要としている他のご家族に届くきっかけにもなります!
遠距離介護はすぐに行けないからこそ、代わりの手をあらかじめ作っておくことが大切です。
高橋:3つ目のデメリットは何ですか?
工藤:デメリット③「交通費がかかる」です。
高橋:東京から岩手のご実家まで、交通費はどれくらいかかりますか?
工藤:割引がなければ片道15,000円くらいです。実際はインターネットの割引チケットなどを使って片道1万円ほど。だいたい月2回帰省しているので、毎月4万円。年間40万くらいはかかっていますね。
高橋:それは、けっこうな負担ですね。
工藤:そうですね。
工藤:ただ、新型コロナをきっかけに、帰省回数を減らしました。
高橋:感染の心配もあって、帰省が難しい時期でしたよね。
工藤:そのときに役立ったのが、見守りカメラでした。
帰らなくても、母の様子を確認できる。
「見えない不安」から、「確認できるから大丈夫」に変わりました。
高橋:遠距離介護は、会いに行く回数を増やすことだけが解決策ではないんですね。
工藤:そうですね。
交通費をゼロにすることはできませんが、“必要なときに行く”という考え方はできます。
髙橋:最後、4つ目のデメリットを教えてください。
工藤:デメリット④「移動で疲れて、体力を消耗する」です。
高橋:移動は、思っている以上に体力を使いますよね。
工藤:新幹線なら盛岡まで3時間です。でも以前は、交通費を節約するために深夜の高速バスを使っていました。
高橋:深夜バスだと、どれくらい時間がかかるのですか?
工藤:7時間弱です。問題は時間よりも、バスの揺れで眠れないことでした。寝不足のまま母の介護をしたり、当時は祖母の病院へ行ったりしていたので、1日ふわっとした感じで疲れきっていましたね。
高橋:それはきついですね…。
工藤:交通費を抑えることばかり考えて、自分の健康を考えていませんでした。
工藤:その後悔から、 多少高くても新幹線を使うようにしました。
介護は長期戦になることもあります。
交通費よりも、体力を優先する。それも大事な判断だと思いました。
高橋:遠距離介護は、親のことだけでなく、自分自身の健康を守ることも大事ですね!
高橋:お話を聞いていて思ったのは、遠距離介護は「気合」ではなく「環境づくり」をすることが大事なんですね。
工藤:その通りです。遠距離介護は不安との戦いです。
でも、不安は仕組みで減らすことができます。
髙橋:今回の「遠距離介護 4つのデメリット」を振り返ります。
どれも避けられない現実ですが、ちょっとした工夫をすれば、不安を解消できるということですね。
工藤:その通りです!遠距離介護は、孤独な戦いではありません。
介護保険サービスや見守りカメラを使って仕組みを作れば、遠距離介護は続けられます。
髙橋:遠距離介護のコツをもっと知りたい方は、工藤さんの著書『工藤さんが教える 遠距離介護73のヒント』を参考にしてみてください。
* 工藤さんが教える 遠距離介護73のヒント(翔泳社)工藤広伸著
工藤:遠距離介護の「メリット」については、こちらの動画でお話しています。
合わせてご覧いただくと、全体像が見えてくると思います。
【不安解消】遠距離介護は実は有利?不安を安心に変える4つのメリット
~ゆるっとかいご【親の介護・介護と仕事の両立】~ 介護する家族を応援する介護情報チャンネルです。介護にかかる費用や、介護施設、認知症、相続のことなどを、はじめての方にも分かりやすくお伝えします!

この記事の執筆者
髙橋佳子(たかはし よしこ)
株式会社ゆるっとかいご 代表取締役
自身の親の介護を活かし「かいごに楽しさをプラスする」をテーマに活動。
介護離職防止コンサルタントとして、企業で働く人の「仕事と介護の両立」を支援。
著書:親と子の新しいコミュニケーションツール『親ブック』
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