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7:34
成年後見制度の改正で見直される点とは?
司法書士の村山先生、今日は「一度始めたら、亡くなるまでやめられない」と言われてきた成年後見制度が、大きく変わるというお話ですね。
村山: はい。離れて暮らすご両親の介護で、不動産の売却が必要になったとき、ある日突然この制度と向き合う日が来るかもしれません。
髙橋: 「まだ自分には関係ない」と感じている方にこそ、知っておいていただきたい内容ですね。
村山:その通りです。これまで使いづらいとされてきた点が、今回の改正で見直される可能性があります。ポイントを絞って分かりやすくご説明します。
髙橋: そもそも成年後見制度というのは、どのような制度なのでしょうか。
村山:はい。 たとえば、認知症などで判断力が低下して、預貯金の管理や、家の売却といった手続きが一人ではできなくなった際に利用するものです。ご本人の代わりに法律上の手続きを行う「代理人」を、家庭裁判所に選んでもらう仕組みです。
髙橋:つまり、「ご本人の代わりに、契約や手続きなどを進めてくれる人を決める仕組み」ということですね。
村山:その通りです。ご本人を守るための大切な制度なのですが、「万人向けではない」と感じる部分も多くあります。
成年後見人を選ぶのが家族ではなく裁判所であること、そして一度始めたらなかなかやめられないという点です。
髙橋:必要な制度だと分かっていても、心理的なハードルが高かったのですね。
村山:はい。今回の改正案は、まさにそうした課題を解消していく方向で進んでいます。
いくつか改正点がありますが、今回はポイントを2つに絞ってご説明します。
1つ目は、一生続ける必要がなくなること。
2つ目は、成年後見人をチェンジできるようになることです。
髙橋:まず、一つ目のポイントから具体的に教えてください。
村山:はい。今の制度では、一度始めると原則としてご本人が亡くなるまで、あるいは判断能力が回復するまで続く仕組みになっています。
たとえば「家を売却して施設に入る」という目的で制度の利用を始めても、売却が終わったからといって終了させることはできないのです。
髙橋:なるほど。特定の手続きが終わった後も、成年後見人との関係は継続する仕組みなのですね。
村山: はい。そうなると費用の面でも負担が大きくなります。
家族が立候補しても、裁判所の判断で弁護士や司法書士などの専門職が選ばれることがあり、その場合、資産状況にもよりますが年間30万円程度の報酬が毎年かかる可能性があるのです。
髙橋:年間約30万円が毎年……。もし10年長生きしたら、合計で約300万円の負担になるということですよね…
村山: そうなんです。ですので、大切な制度ではあっても「始めたら長く続きそう」「費用の見通しが立てにくい」という点が、利用をためらう原因になっていました。
今回の改正案では、保護の必要がなくなったと裁判所が認めれば、途中で終了できる、という仕組みが新しく入る方向です。
髙橋:なるほど。必要な期間に限定して後見人を付けられる方向になるということですね。 これは利用される方にとって、心理的にも費用面でも安心感につながりそうです。
改正によって、より使いやすくなってほしいと感じた方は、ぜひ高評価ボタンで教えていただけると嬉しいです。
村山:次に、 2つ目のポイント
「成年後見人を柔軟に交代できるようになる」という点です。
現在の法律では「解任」という、不正などの重い問題がない限り交代は認められていません。
私たち専門職にとっても解任は非常に重いペナルティなので、裁判所も慎重な判断をせざるを得ません。そのため、「信頼関係が築けていない」と感じる場合でも、そのような理由で交代するのは難しいのです。
髙橋: ということは、ご本人やご家族が違和感を抱えたまま関係が続いてしまうケースもある、ということですね。
村山: はい。すごく多いです。今回の改正では、解任のような罰則的な意味合いではなく、
「本人の利益のために特に必要がある場合」には、後見人を交代できる仕組みが設けられる方向です。
つまり解任という方法とは別に、後見人を見直せる選択肢ができる、というイメージです。
髙橋:なるほど。いままでより使いやすくなりそうですね。いつ頃から改正されるのですか。
村山:2028年度中にも新しい運用が始まる予定とされています。
髙橋: 実際に成年後見人を多く務めている村山先生ご自身は、今回の見直しをどのように見ていますか?
村山: 制度としては非常に前向きな一歩だと感じています。ただ、実際に使いやすいかどうかは、また別の問題かなと。
たとえば「いつ終了するか」「交代すべきか」を判断するのは、やはり裁判所が担うことになると思うので、現場でどこまで柔軟に判断されるかは、始まってみないと分からない、というのが率直なところです。
髙橋:制度として前進している一方で、実際の使いやすさは、これからの運用に委ねられる部分も大きい、ということですね。
村山: はい。だからこそ期待しつつ、私たち実務家も今後の動きをしっかり見ていく必要があります。
そして、個人的にはやはり成年後見制度は“最終手段”という位置づけです。認知症になる前の備えの重要性は、これまで以上に高まってくると感じています。
髙橋:今回は、成年後見制度の改正ポイントを2つに絞ってお伝えしました。
村山: 大切なのは、今のうちから備えの選択肢を知っておくことです。
ゆるっとかいごでは、こうした備えに関する情報を継続的にお届けしていますので、過去の動画もぜひ参考にご覧ください。
~ゆるっとかいご【親の介護・介護と仕事の両立】~ 介護する家族を応援する介護情報チャンネルです。介護にかかる費用や、介護施設、認知症、相続のことなどを、はじめての方にも分かりやすくお伝えします!

この記事の執筆者
髙橋佳子(たかはし よしこ)
株式会社ゆるっとかいご 代表取締役
自身の親の介護を活かし「かいごに楽しさをプラスする」をテーマに活動。
介護離職防止コンサルタントとして、企業で働く人の「仕事と介護の両立」を支援。
著書:親と子の新しいコミュニケーションツール『親ブック』
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