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今回のテーマは「実は誤解している人が多い、記憶障害の真実」です。
認知症といえば“もの忘れ”というイメージがありますが、実はここに大きな誤解があるそうです。
認知症の方がヒントを出しても思い出せない本当のワケを、認知症介護の専門家 きらめき介護塾の渡辺先生と一緒に短時間でわかりやすく解説します。
髙橋)渡辺先生、認知症といえば「記憶障害」が代表的な症状ですが、誤解している人が多いとはどういうことですか?
渡辺)そうですね。わかりやすい例を挙げてみましょう。

認知症の人のなかには、ご飯を食べたにもかかわらず、「食べてない!」と言いに来る人がいますが、これは記憶障害が原因だと言われています。
ということで記憶障害について見ていきましょう。

渡辺)私たちは若いころ、どんどん新しいことを覚えられましたよね。
でも年を重ねると、なかなか覚えられなくなってきます。
僕もそうですが、髙橋さんも、中学生の頃のように“本を一度読んだだけで覚えられる”ってこと、少なくなっていません?
髙橋)はい、もう全然覚えられないです(笑)
渡辺)それ、いわゆる「老化」なんです。
でも、「認知症」になるとどうなるかというと——
初期の頃、覚えられなくなります。
新しいことを頭の中に・・・覚えることが出来なくなってしまうのです。

だから…
「食べたことを覚えられない」。
その結果、「食べていない!」と訴えるんですね。
髙橋)なるほど…。家族から見たら「さっき食べたばかりなのに」と思っちゃいますよね。
渡辺)そうなんです。さぁ、髙橋さんが、家族だったら、次のどちらの言い方をしますか?

Aさんみたいに…「ええ~っ『この魚、美味しいわぁ!』って、喜んで、食べていたでしょ!!秋刀魚よ、秋刀魚、思い出して!」と言いますか?
それともBさんのように…「今作っているから、もう少し待っていて下さいね」と言いますか?
さぁ、どっちの言い方をしますか?
髙橋)Bさんが正解なんですよね、でもAさんのように言ってしまうかも?
渡辺)そうですね、これ正解は…

基本的には、Bさんみたいに「今作っているから、もう少し待って下さいね」が良いと言われています。
でもAさんは・・・「え~っ、さっき食べたのは事実なんだから、本当のことを教えてあげたらダメなの。それに、『秋刀魚』って、ヒントだって出してあげているのに、なんで思い出せないの?」って、納得いかない様子です。
渡辺) 実際には、認知症の人でも、ヒントを出したら思い出せることもあるのですが、“思い出せないことが多い!”と言われています。
どうしてでしょうか?
それは、この病気は…
“覚えられなくなる病気!”だからです。

覚えていることであれば、ヒントを出してもらったら、思い出せるかもしれません。でも、そもそも頭の中に覚えてもいないことは、いくらヒントを出してもらっても、思い出せませんよね。
髙橋さんも、今日、僕が説明したことであれば、明日、ヒントを出したら思い出せますよね?
髙橋)うーん、一瞬考えるけど、たぶん思い出せると思います。
渡辺)そうですよね。
でも、今日話していないことを「思い出して」って言われても、無理ですよね?
髙橋)はい、それは、思い出しようがないですね(笑)
渡辺)そうですよね、でも…

多くの人は当たり前のように、ヒントを出すんです。
どうしてだと思いますか?
それは…私達だったら思い出せるからです。
髙橋さんも、忘れた時、「ヒントちょうだい!」って言うこと、ありますよね?
髙橋)あります!「最初の一文字でいいから、教えて!」とか。
渡辺)そう、そのヒントを聞いて髙橋さんは…思い出せてしまうんですよ。だから「認知症の人も同じだ」と思って、一生懸命ヒントを出すんです。
でもこの人は、私達とは違う・・・記憶障害のある人なんです。
だから、認知症の人と関わるときは、
「記憶障害=覚えられない」という特徴を理解して接することがとても大切なんです。
渡辺) このように・・・

この違いを知っているかどうかで、介護の大変さは大きく変わります。
だから、学んで理解することが大事なのですね!
髙橋)そうですよね~、でも、テレビとか雑誌などでは「もの忘れ」ってよく聞きますよね。
渡辺)そうなんです。記憶障害のことを、わかりやすく伝えるために「もの忘れ」と表現することが多いんです。
そうすると、家族は「忘れただけなら、思い出せるでしょ~」と誤解してしまうんですね。だからおじいちゃん、おばあちゃんに一生懸命ヒントを出すんです。
でも思い出してくれないから、家族はイライラするんです。 そして、本人も責められたように感じて、つらくなる。
だから、「もの忘れ」という言葉を聞いたときこそ、
“忘れる”ではなく“覚えられない”という本質を理解しておくことが大事なんです。
渡辺)ということで今日のポイントは、認知症の記憶障害。
それは、忘れてしまうのではなく、“覚えられなくなること”ということでした。
髙橋)記憶障害は忘れてしまうのではなく、”覚えられなくなること”なんですね。きちんと理解しておくと、介護がぐっと楽になりますね!
~ゆるっとかいご【親の介護・介護と仕事の両立】~ 介護する家族を応援する介護情報チャンネルです。介護にかかる費用や、介護施設、認知症、相続のことなどを、はじめての方にも分かりやすくお伝えします!

この記事の執筆者
髙橋佳子(たかはし よしこ)
株式会社ゆるっとかいご 代表取締役
自身の親の介護を活かし「かいごに楽しさをプラスする」をテーマに活動。
介護離職防止コンサルタントとして、企業で働く人の「仕事と介護の両立」を支援。
著書:親と子の新しいコミュニケーションツール『親ブック』
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